谷 好通コラム

2015年06月10日(水曜日)

6.10.競技に負けて、敵である勝者を心から祝福できるか。

トニー賞の受賞式の様子が朝のニュースになっていました。
「王様と私」に出演の渡辺謙が、
残念ながら、ミュージカル部門主演男優賞を逃したそうです。
その瞬間の、渡辺謙が悔しそうな表情を映していました。
しかしすぐに、
競合して渡辺謙に勝ったマイケル・セルヴェリスを、祝福していました。

 

さらに「王様と私」に共演のケリー・オハラが、
主演”女優”賞に選ばれた時、
渡辺謙は、自分の残念をそっちのけにして、手放しの大喜びでした。
10年以上もノミネートされながら落選を続けたケリーオハラの不運もあり、
これはこれでドラマでした。

 

しかし、このニュースを見ていて、ふと思ったのです。
仲間であるケリー・オハラを祝福する気持ちはよく分りますが、
しかし、
自分の落選が判った次の瞬間に、
この主演男優賞を競い合った『敵』であるマイケル・セルヴェリスを、
さわやかな笑顔で祝福する渡辺謙を、
潔く、かっこいい奴と、素直に思えなかった自分がありました。

 

自分だったら、たぶん、悔しくて、泣けて、怒れて、大変です。

 

 

今やっているKeePer技研㈱社内のKeePerの技術コンテストでも、
3位以下で、選抜に入れなかった上位入賞者は、
誰もが「悔しいっ」と言うし、思いっきり悔しそうな表情をします。
競って1位、2位になり選抜された同僚を、祝って、
嬉しそうな表情をしているスタッフはあまりいません。
「くっそー、今度こそっ。」

 

 

芸能界のように華やかで、かっこいい世界では、
自分の負けを悔しがるよりも、
戦った相手の勝利を祝うという姿は、
美しく、かっこいい姿として、むしろ当たり前でしょう。
ミスコンテストでも、
同じように負けた美人が、勝った美人をニコニコと祝福していますが、
あれはいかにも嘘くさくて、見ていて違和感が大きいです。

 

 

こんな素直な子もいました。
F3というレースの世界のことです。

 

F3第戦、小河諒選手は勝ちました

 

 

戦、勝ちました。

 

 

戦、当然の勝利です。
第2位の三浦愛選手は人気者です。

 

 

戦、ウォッホー勝ちです。

 

 

たぶん第戦 のことでした。
2位で、負けです

 

負けると、これです。素直な子です。

 

 

目下、2015年F3Nクラス、トップ独走の小河諒。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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