谷 好通コラム

2014年09月30日(火曜日)

9.30背負った運命も受け入れてしまえば、興味すらなくなる。

私が腰の左を痛めてからここまでしんどい目に合っているのは、
元々、私の左足が脊髄性小児麻痺・ポリオの後遺症で、
筋肉が少なく、関節も弱くて、神経も鈍い。
そこに椎間板ヘルニアのダメージが重なってきているので、
整形外科の医者も判断に困るような症状があるようなのです。

 

私のポリオは、
私が四歳の時、
私の父が、近くの海の堤防にハゼ釣りに連れて行ってくれて、
お昼ごはんにその海で手を洗って、おにぎりを食べたのが、
ポリオ菌に感染した原因だと、母が言っていました。

 

だから、私をハゼ釣りに連れて行った父を恨んでいるか、
おにぎりを食べる時、海で手を洗わせたことを恨んでいるか。
あるいは、ポリオにかかって足が動かなくなった私をおぶって、
毎日、何キロも歩いて電気マッサージに連れて行った母を、
もっとお金を掛けていい治療をしてくれれば良かったのに、と、恨んでいるか。
とんでもない。
ハゼ釣りに連れて行ってくれた父が大好きです。
海で手を洗わせてくれたのは、私を思ってのことです。
毎日、私をオブって何キロも歩いた母の姿を思うと涙が出ます。

 

私のポリオの後遺症は、本人は、実は、たいしたことありません。
人によって後遺症の重さが違うので、
軽々しいことを言うと、叱られますが、
私を含めて、本人はこの後遺症を持って何十年も生きているので、
慣れてしまっていますし、
片足が踏ん張れなくて少々ふらっとしても、ビッコを引いても、
痛みがずっとあったとしても、
たとえば走れなくても、走らなければいいだけで、
ずっとそれで生きてきているので、本人はまったく気になっていません。
そんなことは忘れてしまって生活しています。
たとえ、
すごく不自由を感じる場面があったとしても、
それが当たり前なので、悲しいとも思わないし、つらいとも思いません。
ごく普通にちょっと困った事が起きた程度に受け入れてしまっています。
そういうものだと思います。

 

私は他の身体の障害を持った人と話をしても、
障害についてはほとんど話したことがありません。
会社の取引先とか友達にも障害を持った人が何人かいますが、
自分あるいはお互いの障害について話をしたことがありません。
お互いにそんなことは気にならないし、だいいち興味ありません。
たぶん、世の中の障害を持っている人の多くは、同じではないのでしょうか。

 

運命として背負ってしまったのだから、
それは受け入れるしかないわけで、
受け入れてしまったら、
全く気にならないどころか、興味すらもなくなってしまいます。

 

少なくとも、私は、軽症だからなのかもしれませんが、
まったく気になりませんし、興味もありません。ヘルニアがしんどいだけです。

 

大きな運命を背負うかもしれなかった人が、助かって、
良かったと思うと同時に、そんなことを考えました。

 

私も運命を受け入れるほうですが、
ただ、椎間板ヘルニアで、こいつに乗れなくなったのは本当につらい。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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