2014年06月22日(日曜日)
6.22.「時間給」と「成果給」、まれに「付加手当て」
一般に給料・報酬というものは、
労働時間数に対する「時間給」と、
作り出した価値あるいは成果に対する「成果給」の二種類あります。
時間給は文字通り、
その人が労働に割いた自分の時間数に対して給料を得る制度で、
たとえば、ベルトコンベアーでの作業のように時間数で仕事量が測りやすい仕事に、
比較的大きな要素として取り入れられています。
アルバイトやパートさんは時間給100%、成果給0%です。
時間給は、正社員の場合、
年齢給、職能給、役職級などの基本給に加えて、
所定労働時間以上の労働に対して「残業手当」という形で、
基本給の時間当たりの単価に1.25倍した時間給が支給されます。
時間給が付く立場の人には、
その部署、仕事全体に対する最終責任を求められることは少なく、
その仕事の成果に比する成果給を支給される率も、あまり高くありません。
一般スタッフ、そして主任、係長ぐらいまでが、
一般的に「時間給」の範囲のようです。
それに対して、
成果給とは、その人がどれくらいの時間数を働いたかは関係なく、
その仕事によって生み出された付加価値の量によって報酬を得るものです。
たとえば極端な例を言えば会社の経営者である社長は、会社そのものに責任を持ち、
会社の業績と、その業績に対する貢献度によって毎年の報酬が決まります。
いわば成果給100%、時間給0%と言えます。
残業手当付きの社長なんて聞いたことがありません。
成果給100%は、
経営者である役員だけでなく、
部長、所長など管理者の立場にある人に適用され、
役職手当、成果給などが大きく付く代わりに、
それを「みなし残業」と呼んで、
時間給としての残業はつきません。
部署の成果に対する責任を持つと同時に、
成果に対する報酬を成果給として得ます。
課長など中間的な立場の人が、
成果給の管理職として扱われるか、時間給の一般スタッフと扱われるかは、
会社のあり方と方針によって変わり、
労務裁判などでの議論の対象にもなります。
中間的管理職である課長とか店長は、
時間給と成果給を適当な配分にして両方を支給されている場合もあるようです。
成果給と時間給の関係は、
その人の役職と責任範囲によって決まるだけではありません。
仕事の内容によっても変わります。
製造業の工場や、販売業、サービス業の店舗のスタッフさん等では
事業所内での勤務が主で時間給の要素が高くなり、成果給の比率は低くなります。
反対に、営業職の場合は、
時間が不規則であること、
事業所外で勤務時間が多いこと、
社用車を使っての通勤が許されていたり、出張先への直行直帰があったりで、
時間で仕事を測ることが難しい職種では、
時間給の要素は低くなり、
営業しての成果に比する成果給の要素が大きくなります。
特に営業として役職が上がれば上がるほど成果給が膨らみ、
時間給はなくなります。
営業職には一般的に成果給とみなし残業とは別の、残業=時間給はつきません。
もうひとつ、デザイナーさんとか、
設計とか、Webに特化したスキルを持った者とか、
特別な能力を持った者には「特別能力給」を厚くつけて、
最初から成果を期待した成果給とし、これをみなし残業代とし、
自分の思う存分仕事をしてもらって、
別途に時間給=残業代をつけない場合が一般的です。
稀にではありますが、
成果給100%の役職あるいは職種だとしても、
深夜あるいは
早朝からの仕事は、
いかにもご苦労様であるとして、
これを慰労する意味で、
成果給とは別に、時間給とも別に、
時間外の「深夜・早朝」付加手当てを付ける場合があります。
非常に稀ではありますが、これを付ける会社があります。
しかし、これの欠点は、
これを、時間給の一部と思い込んで、
これを稼ぐために無用な時間を会社で無為に過ごす、という
信じられないような被害妄想に陥る者がいると言うことです。
これを説明するには、
情けない思いをしなければならないのですが、
こんなことが実際にあるということを、ごく最近、発見しました。