谷 好通コラム

2020年01月27日(月曜日)

1.27.序列が一番下のおじさん力士が優勝した。

もちろん大相撲の事だ。
幕下17枚目という膜の内では一番序列の低い幕尻力士「徳勝龍」が、
33才という現役相撲取としては最も年寄りに部類する年齢で、
十四勝一敗という立派な成績を出して、
幕の内最高優勝を果たしたのです。
一時は幕内力士がモンゴル人だらけになって、
特に上位の力士が全部モンゴル人になってしまったこともある相撲界に、
日本の国技を日本人に取り戻したのは誰かと言えば、
「キセノウミ(変換できない)」とか「琴奨菊」という
おじさん力士たちであり、今回も33才という年を取った力士が勝った。

 

相撲の序列は絶対で、
一枚違えば虫けら扱いという
公平さを絶対視する現代では考えられないような封建的な相撲界で、
序列が一番ドベの者が、最高をの栄誉をかっさらったのだから、
これから先、どうなるのだろうか想像がつかない。
まさか、皆からいじめられるようなことは無いにしても、
風当たりが相当にきつくなることは想像にかたい。

 

もう歳を取っているので、
ここからもっと強くなっていくことは考えにくいので、
番付が上位になって、最初から強い力士とばかり当たるようになると、
今までのようには行かないだろう。
考えただけでも、ため息が出そうになる。
あれからじきに引退したキセノウミや、
体中テーピングだらけで出ている満身創痍の琴奨菊の姿を見ていると、
おじさんギャグを飛ばしまくる明るい徳勝龍が、
来場所からも、今の明るさと強さを維持し続けられることを祈るばかりだ。

徳勝龍の異例とも思える幕尻優勝は、世のおじさん達の希望の星だが、
朝乃山とか炎鵬などの若い輝くばかりの新しいスターに混じって、
どちらかというと素朴さが目立つおじさん力士徳勝龍が
角界に新風を吹き込み続けることを信じたい。

 

先週の日曜日、大相撲一月場所の中日に相撲を見に行かせてもらった。
前回行った時は、ボックス席の居心地の良さに酒を飲みすぎて
ただ単に酔っぱらっていただけだったような気がするが、
今回は双眼鏡を携えて、じっくりと相撲を見て、
満員のみんなと一緒に歓声を送って、
大相撲を大相撲としてしっかり楽しむことが出来た。
しかし、あり段階では、
あのおじさん徳勝龍がまさか優勝するとは思わなかった。
本当に相撲は面白い。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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