谷 好通コラム

2020年01月08日(水曜日)

1.08.バックヤード店長の怪と、勝手な販促。

年末に店舗を周った時に、
「パックヤード店長」という存在の話を聞いた。
それは、スタッフが店長になったとたん、
バックヤード=スタッフルーム兼事務所でPCをずっと触って閉じこもり、
店がどんなに忙しくなっても、
ちっとも手伝ってくれない店長がいるのだそうだ。
出てきても、お客様と話をするだけで、作業には一切手を出さない。
そんな店長には、スタッフは不満を持っていて、
チームワークがうまく行く訳がなく、
そんな店長の店舗の実績は総じて良くない。
だから、だんだん居づらくなって、
辞めてしまうことになる。
だから、現実にはそんな店長は、今は存在しない。

 

しかし、自分が「店長」になると、
その店の中では自分を叱る人がいなくなって
叱られないので、仕事をせずに楽をしてもいいと勘違いしている人はいる。
こういう人は、
働かないと叱られるので働くという人であり、
“やらされ人間”の典型なのだろう。
極端に言うと、働かないと鞭でぶたれて痛いので働いている農耕馬と同じだ。
こういう人を、
自らの価値観で自らを動かすことが必要な役職に就けると
その店の中には自分を叱る人がいないので、
自分の意志が楽をしたいのならば、当然のように楽をしてしまう。
悪いことをしている自覚は全く無い。
しかし、その店のスタッフがそんな店長に不満を持って、
文句を言うか、
店の成績を落とすかしないと会社には判らないので始末が悪い。
しかし、スタッフにとっての上司の行動に文句を言うのは、
部下にとって勇気のいることで
下手すると不穏な不満分子と見られてしまう。
だから自然に、忙しい時にはお客様を断ってしまうことになって、
お客様がその店から離れる事になって、必然的に実績が落ちる。
そうなってからやっと会社が気が付くことは、残念ながらよくある事だ。

 

スタッフの皆が不満を持つ前に
新しく店長になった人を注意深く観察するしかない。
あるいは、その店での勤務が長くなって、
猿山のボスのようになってしまい
動かざる存在になってしまっている店長もあるので、
そんな場合は実に発見しにくい。

 

ある程度の期間での配転が必須である訳だろう。

 

 

あるいは、もっと権限が大きくなる地位に付けると、
勝手なことをし始める者もいる。
その典型が、自分で良いと思った販促を無断で特定の店に行ってしまう事。
チラシの配布や、DMの送付、看板の掲示などの販売促進行為は、
もちろんそれを実行すれば、それなりの集客は出来る。
しかしそのいずれにも、
その行為に相当する費用が必要であって
その費用対効果を考えて販売促進はされなければならない。
と同時に、それぞれがその実績を競っている仲間達に公平である必要がある。

 

しかし、ある程度の権限を持つと、
自分の仕事⇒販売実績を上げる事⇒販売促進⇒販売実績が上がる⇒良い事。
と、単純に考えて、
それが費用の発生を伴うことも、
他の仲間達でも、販売実績だけを考えれば販促はやりたいに決まっている。
が、費用の発生と
一つの看板を掲げているブランディングの事を考えると、
お互いに公平に販促を発動する必要があって、
身勝手に行動してはならないことは、常識として身に着けているものだが、
狭い視野を持って
短絡的な価値観を持っていると、
自分の仕事⇒販売実績を上げる事⇒販売促進⇒販売実績が上がる⇒良い事。
となって、収支感覚の無い不公平な行動、
つまりマネージメント能力の欠如した行動をとることになる。

 

すべての行動が、必ず報・連・相を伴う事で防ぎ、学ぶ事が出来るが、
マネージメント能力の不足している人は、
総じて報・連・相の必要性を理解していず、欠けている場合が多い。
悩みの種だ。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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