谷 好通コラム

2013年12月12日(木曜日)

12.12.やれるところまで精一杯やればいい、か?

何か事を成そうとする時、
「それが結果として成功するかどうか分からないが、
いずれにしても、全力を尽くして頑張り、
一生懸命やった上で、たとえ出来なかったとしても、
それは仕方がないじゃないか。
とにかく、やれるところまでやろう。」
という”企業家”がいたとしたら、
私はその企業に投資しないし、取り引きもしないだろう。
あるいは、それが部署の”長たる人”ならば、
その人に重要な部署を任せることはしない。

 

「やれるところまでやろう」と言う人は、
「やれるところまでしかやらない人」であり、
「やり遂げる意志のない人」かもしれないから、投資できないし、
重要な部署を任せることも出来ないのです。

 

ビジネス、仕事とは、ある意味の闘いであり、勝ちと負けしかない。

 

引き受けている仕事が、
今いるみんなで、今の方法で、精一杯やっても、
成功できないかもしれないと予想される状況なら、
「やれるところまでやろう」では、ほぼ確実に負ける。
仕事は、精一杯やることに価値があるのではなく、
精一杯頑張っても、その仕事の結果が成功でなければ、失敗であり負け。

 

今の人数では足りないなら、
やり方を変えて、この人数で足りるようにする。
あるいは、今の人数ではどうしても足りないのなら、人を増やす。
黙っていても人が増えないなら、
大きな声で「人が足りない。」と叫ぶ。
今のやり方では、
時間が足りなくなるなら、
やり方を変えるか、時間を延ばす。
あるいは、誰か人の手を借りる。能力を借りる。
今の手段では品質が足りないなら、手段を変えて品質を上げる。

 

仕事は、
その結果を成功としなければ、
いかに精一杯やったとしても、負けは負けでしかない。

 

あらゆる策を講じ、
自らの能力を自在に発揮し、あるいは人の手を借りて、
その上でも、どうしても成すことが出来ない仕事なんてものは、
そう滅多にあるものではない。

 

失敗するのは、
ただ、精一杯頑張ってしまい、頑張るだけで、
「やれるだけのことは、精一杯やったのだから仕方ない。」とする場合で
勝つことを追求せずに、
「みんなで頑張ることに意義がある。
やれるところまで、張ってやろう。」では、負けるべくして負けることになる。

 

東京に向かう新幹線の中、そんなことを考えました。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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