谷 好通コラム

2013年11月22日(金曜日)

11.22.私はピンピンですが、ふと考えました。

先に言っておきますが、私はすごく元気でピンピンです。
出来れば病院を抜け出して、誰かを誘って飲みに行きたいところです。
でも、ちょっと神妙に色々と検査を受け、健康により良い生活をしております。
そんな中で、ふと考えたことを書きました。


 

大きな病院に入ってたくさんの検査を受けていると、
何かかしら正常値から外れているものもありますし、
これはイイが、これはダメ、みたいなことも出てきます。

 

ましてや、
「長生きしようと思ったら、
あれは、こうした方が良いが、これは少なくした方が良い。」
なんてことを言い出したら、キリがありません。
そんなものを全部なんて出来っこありません。

 

私がよく、
「長生きする事が、生きる”目的”ではない。」と、
言いますが、
これはほとんどの場合、
食い過ぎや、飲み過ぎの自分の不摂生を
言い訳するために言っているだけなので、いい加減なものです。
それとこれとは別です。

 

でも、健康のためと言って、
あれもダメこれもダメだと、
やたら健康のことばかりを気にして、
健康の為を、自分の行動、あるいは選択の最優先順位にしている人がいますが、
これはどうかと思います。
人は生きていること自体が”目的”ではなく、
“長生き”することが、すべてにまさる”善”だとは思えません。

 

何のために生まれてきて、
何のために生き、何をすべきか。それが何のためなのか。
私だって、
そんなことを考えない訳ではありませんが、
なにごとも真面目に四角くは考えられない私には、
自分なりの結論を出すに至るまでは考えられません。

 

ただ一つ思うのは、
楽しいことをいっぱいして人生を楽しむことが、いい人生だとは思いません。

 

それは自分だけのことであって、
楽しいことはいつも必ず終わってしまうし、
楽しんだあとは、楽しかった思い出が残りますが、
それを思い出しながら、死ぬ間際に
「いい人生だった。楽しかった。もう死んでもいい。」とは思わないでしょう。
「もっと楽しみたかった。あれもこれもしたかった。」と、
嘆きながら死ぬではないでしょうか。

 

「物欲」や「金欲」というものが、
それをいくら多く得たとしても「もっと、もっと欲しい、」と限りがなく、
永遠に満たされずに、どこまでも飢餓感から脱しきれないように、
人生は自分が楽しむことで満たされるものとは思えないのです。

 

説明をするのは難しいのですが、
人が生きているは働くためだと思います。
働くこととは、誰かor何かの役に立つことをして報酬を得ること。
その報酬で生活をします。

 

動物は、子孫を残すことを目的として生き、
だからその種が残っているのだけれど、

 

人間は、「我、考えるゆえに、我あり」と、
自我の意識を持ち、
自分の存在をはっきりした意識として持った時点から、
動物と同じ色をした魂であっても、
一つの臨界点を越して、
子孫を残すことを目的として生きることから、
動物とは別の目的を持った存在になったのではないでしょうか。

 

それが何だか、よく分かりませんが。

 

動物は、子孫を残すために生きているので、
自分と自分の子孫のためだけに生きています。
それで目的は果たされます。

 

しかし、人間は自我を持ったことによって、
子孫を残すためだけに生きるのではなくなっているので、
自分と自分の子孫のためだけに生きることでは、
目的を果たせなくなっているはずです。

 

とすると、
自分のためのではなく、
人のために役に立つことをすると、
つまり、働くと、
たぶん、その目的が果たされるのではないかと思うのです。
だから、ひょっとすると、
働くこと、そのものが、
生きていることの目的なのではないかと思うと、妙に落ち着きます。

 

一生をずっと働き通した人は、
「あー、よく働いた。もう、休もう。」と、幸せそうな最期に思えるし、
働かず、楽をして遊んだ人は、
「まだ死にたくない。まだ満足してない。もっと欲しい。もっと生きたい。」と、
嘆きながら逝くのではないでしょうか。

 

ただ単なる検査のための入院とはいえ、
何百人、何千人と死んで行ったであろう大きな病院の部屋にいると思うと、
ふと、神妙にそんなことを考えてしまいます。

 

私はずいぶん働いてきました。
でも、まだダメです。
働いてきたことにはもう満足していて、
いつでも、あーよく働いた。と、言えますが。まだ、ダメです。
やることが、まだ、10年分以上働かないといけないくらい残っています。
まだまだです。
だから、上から下までしっかりと総点検して、また働きます。

 

連れ合いは、こんなことを書くと、
変に、この人、どうかしたんだろうか、と勘ぐられるから、
ブログに載せるのはやめたほうがいいと言いますが、
私は、別に、本当に何にもないし、ピンピンなので、載せることにしました。

 

桜も黄昏、私も黄昏、なんちゃって

 

 

大きい病院ってすごいですね。
自前の救急ヘリを持っているのです。ちょっと興奮します。
入院中に発着をぜひ一回は見たいと思っています。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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