2013年09月21日(土曜日)
9.21.その① 会社の骨格が作られた初期の沿革と、現状。
【29年前、1985年の起業】
私、谷好通が32歳の時、
1985年にアイ・タック技研㈱の前身、「株式会社タニ」が創業しました。
創業時はいわゆるガソリンスタンドであり、
家内と二人での起業です。
場所は現在のキーパーLABO刈谷店がある場所で、
ガソリンスタンド「共同石油 高津波SS」としてオープンです。
起業した動機は「自分の思い通りに仕事をしたい」とか、
「お金を稼ぎたい。」とかあくまでも個人的な動機であり、
当初は決して高い志を持って起業したわけではありません。
高校卒業以来、起業する前までの14年間、
ずっとガソリンスタンドで働いていましたので、
仕事は慣れたものであり、家内には苦労をさせましたが、
1軒目の店舗の運営は順調に推移しました。
【2店舗目が欲しい】
順調に商売が進み、
起業する4年前に買った中古住宅のローンも早々に払ってしまい、
2軒目の店舗が欲しくなりました。
創業してから約4年後のことです。
1軒目から3kmくらい離れた所に2軒目の土地を探し当てたのですが、
その当時、揮発油販売業法で
一定以上のガソリンスタンドの建設が規制されていて、
やっと見つけた2軒目の店舗に、無理にガソリンスタンドを建てても、
当時の正常ルート(マーク品)のガソリンを販売する事が出来ませんでした。
しかし、揮発油販売業法が1年後に撤廃されることを見越して
その土地を無理して買ったのは、展望のない無謀な行為だったかもしれません。
【2軒目・洗車とコーティングの店「Clean Base WITH」】
無理して買った土地に「何とかなる」とばかりに
ガソリンスタンドを建設してしまったのですが何ともならず、
1年間、ほぼガソリンスタンドの設備で、
ガソリンスタンド以外の商売をせざるを得なくなりました。
そんな時に見つけたのが、
塗装をポリッシャとコンパウンドで磨いてから
コーティングをする技術を教えてくれる会社「モービルクリーンベース」です。
ここで一通りの技術を身に付け、
ガソリンは売っていないがガソリンスタンドみたいな設備の
「Clean Base With」を開店しました。1989年のことです。
まだ世の中に広がっていないコーティングをメイン商品にした店舗は、
非常に厳しい経営となり、
何度か月末の決済がギリギリとなって
いつ倒産しても分からない経営状態でしたが、
1店舗目のガソリンスタンドの営業が順調で、何とかしのぐことができました。
【高品質、高付加価値な洗車・コーティングに新しいビジネスの可能性】
洗車とコーティングの店はユーザーの認知度も低く難しいビジネスでした。
しかし、この商売が
その店舗で付加価値を作り出すサービス業であることに気がついたことと、
お客様がご自分ではできないレベルの高品質な商品を提供すれば、
十分に大きな可能性があるビジネスであることに気がつきました。
以下はKeePerのホームページの中にあるメッセージの一部分です。
「18歳の時、ガソリンスタンドで働き始めてから、
洗車とは、ずっと自分の仕事として関わってきました。
大昔のガソリンスタンドでは、
ガソリンを満タンに入れてくれれば、
洗車をタダでサービスすることは当たり前でありました。
だから、雨が降った翌日などは、
ガソリンを満タンにして洗車をしてもらう車がいっぱい来ました。
同じ給料をもらっていても、
雨が降って暇な一日と、晴れて給油と洗車でごった返す一日では、
天国と地獄の差があって、若い私は晴れの日が嫌いでした。
反対に、朝起きた時、外で雨が降っている音がすると、
ホッとしてすごく嬉しかった覚えがあります。
これが繰り返し摺りこまれて、
今の自分の商売が雨の日が多くては困る洗車業なのに、
雨音は、今でも「ホッとした気持ち」になる大好きな音の一つです。
あの頃の私にとって洗車は、単なる労苦でありました。
報われないことであり、出来るだけ楽をするようにいつも考えていました。
その発想が変わったのはいつの頃だったでしょう。
その境目は自分でもよく判らないのですが、
車がきれいになることとお客様の喜びに二乗関係があることに気が付きました。
つまり、
車が「1」のレベルきれいになる。⇒お客様は「1」のレベル喜ぶ。
車が「2」のレベルきれいになる。⇒お客様は「4」のレベル喜ぶ。
車が「4」のレベルきれいになる。⇒お客様は「16」のレベル喜ぶ。
車がきれいになる。⇒お客さまが喜ぶ。
車がもっときれいになる。⇒お客さまはもっともっと喜ぶ。
車が想像以上にきれいになる。⇒お客様はびっくりしたように喜ぶ。
お客様の大きな喜びとは、すなわち満足であり、
サービス業としての付加価値でもあります。
またお客様の満足は、私達に感謝として返ってくることも多く、
私たちの「やりがい」にもつながります。
車をよりきれいにして差し上げることによって、
そのすべてが、二乗効果を持って返ってくるならば、
こんなに面白く楽しい事はない。そんな風に思い始めたのです。
洗車、コーティング
つまり車をきれいにすることが、
お客様の期待を上回る形で提供できれば、
それは”労苦”ではなく、”喜び”としてのビジネスに昇華するはずであり、
お客様から二乗効果で得られた報酬は、
そのビジネスを豊かに、
より広く広める事が出来るレベルであると確信したのです。」
【「Clean Base With」での成功で注目を得る。スクールのきっかけ。】
ポイントは「お客様の期待を上回り、驚かせるようなキレイさ」です。
これを実現していればお客様がお客様を呼ぶ口コミ効果が出て、
しかもお客様がリピートするので常連のお客様も増えました。
それからしばらく、
その頃には揮発油販売業法も撤廃されて
「Clean Base WITH」はガソリンの販売も出来るようになり、
たくさんのお客様が来られる店舗に成長しました。
そして翌年の12月、洗車・コーティングで大きな売上げを上げて
新聞に取り上げられ注目されました。
そうしたら多くのガソリンスタンドの方が見学で来られるようになりました。
最初はお越しいただいた見学の方々に個別で対応していたのですが、
どうせならその「技術」もぜひお伝えしたかったし、
「考え」や「販売」などたくさんのことをお伝えしたかったので、
何人かで開く「ワンデースクール」なるものを開催するようになったのです。
これが現在の年間約2万人がおこしになる各種のKeePer技術研修の発祥です。
【1993年、アイ・タック技研㈱、KeePerブラントの誕生】
スクールを開催するうちに、来られた人たちに技術をお教えするだけでなく、ケミカルや道具を提供販売するようになりました。
その頃のケミカルなどは既存のケミカルメーカーが製造した製品を
独自に組み合わせて「Qシステム」と称していました。
しかし技術が進みつつ広がっていくうちに
既成の製品の組み合わせだけでは間に合わなくなり、
新たに製品開発のための研究所を開発して、
新しく「KeePer」シリーズの独自の製品を、
自社開発の工場で製造するようになりました。
と同時に、それまでの㈱タニ、スーパーポリマー事業部を切り離し、
継承する形で「アイ・タック技研株式会社」を設立し、
「KeePer」を独自のブランドとしてCIを行いました。
1993年のことです。