谷 好通コラム

2013年01月31日(木曜日)

1.31.中国で発生の大気汚染(有害物質を含む濃霧)の日本への影響

アイ・タック技研㈱技術開発研究所からの報告。

 

中国で発生している大気汚染(有害物質を含む濃霧)の日本への影響
1,概要
現在中国では、深刻な大気汚染が起きています。
今回の大気汚染は有害物質を含む濃霧として発生し、
約中国全体の13.5%の面積を占めるに至っています。

 

その現状はアメリカ環境保護庁規定の大気質指数(AQI/エアークオリティーインデックス)が
各都市で計測上限(500)を超えており、755,900等の都市もあるとの事です。
(規格例)
150=不健康 300=有害 500以上=安全レベルの20倍の有害物質

 

2,詳説
・発生原因

大気汚染の発生原因は、
中国の経済発展に伴い、以前から指摘されていた現象ではありますが、
今回は自動車排気ガス/煤煙の増大、
工場化石燃料の燃焼ガス/煤煙、
冬季での農村部での暖房用石炭燃焼ガス/煤煙が急増したことが
主な原因と考えられています。

 

特に、中国でのガソリン、石炭には硫黄分が多く含まれ、
それから発生する亜硫酸ガスがより拍車をかけています。
例としてガソリン中の硫黄分は、
世界基準では10ppm以下ですが
中国使用ガソリンは150ppmが基準となっています。

 

・有害物質の内容
今回濃霧となっている有害物質は
PM2.5(2.5ミクロン以下の大気中微小粒子状物質)と言われています。
(例として日本まで飛来する黄砂粒子は平均4ミクロン)
その内容は化石燃料の焼却煤煙・スス、自動車排気ガス煤煙・スス等、
(例として、ディーゼル排気粒子は0.1~0.3ミクロン)
人為起源の一次発生微小粒子、一方揮発性炭化水素、亜硫酸ガス、
窒素酸化物等ガス状物質が、太陽光にて光化学反応を受け
揮発性の乏しい極性分子へ変化し、
それらが自己凝縮した物質や、
一次発生微小粒子に吸着した二次生成粒子の混合体と考えられています。

 

・人体への影響
上記有害物質の煤煙・スス由来の一次、二次粒子が
肺に入り気管支喘息や癌を発生させると言われています。
又含硫黄分の多い化石燃料、石炭、ガソリン、ディーゼル油の燃焼からは
多量の亜硫酸ガスが、発生し呼吸困難を引き起こし、
死に至ることもあるとのことです。
0.5~1ppm=臭気を感じる。10ppm=喉に刺激、せきが出る。
30~40ppm=呼吸困難。 400ppm以上短時間で生命危険。

 

・中国の対応
今回の有害物質を含む濃霧の最大の原因を
急激に増えた自動車のガソリンの品質と考え、
早急に燃料の品質改善が急務であると指摘していますが、
コストと製造改善設備にある程度以上の時間を要し
短期間での品質改良は困難であり、
当分この大気汚染の解決、改善はできないとの報道がなされています。

 

 

3,黄砂と共に飛来時の問題
・日本への飛来、健康被害
有害物質を含んだ濃霧のPM2.5微小粒子は、
それ単独でも高気圧や偏西風に乗り
東アジアに飛来すると専門家が指摘しています。
ましてや3月頃から黄砂飛来の時期と重なり、
亜硫酸ガス等に起因する有害物質が多量に付着した黄砂が
飛来する事は確実とのことです。
この為日本においても健康被害が多発する可能性は高いと推測されます。

 

・自動車塗装面への影響及び対策
今回の大気汚染物質成分は亜硫酸ガスに起因している為、
強い酸性を示していると推測されます。
この為塗装面に飛散付着した場合は
酸性雨と同様塗装を浸食させる可能性が高くなります。

 

又、黄砂に絡んで飛来する場合、
黄砂の主成分であるカルシウム塩等がアルカリ性である為、
酸性物質は中和されますが今回の濃霧は酸性物質を多量に含んでいる為、
黄砂単体の時と異なり酸性物質の影響を大きく受けると思われます。

 

上記の対応策として
塗装面にガラス系コーティング膜での保護は効果的であると考えられます。
(硫酸、塩酸、硝酸等は昔からガラスの容器を用いていたので犯されない)
その上で黄砂に絡んで飛散・付着した場合は、
実際に経験していないので推測ですが、
とにかくこまめに洗車する事が必要と考えます。
場合によってはカーシャンプー等の中性洗剤よりは
酸性物質を中和する塗装に悪影響の無いアルカリ洗剤
(例としてWAC-11等)を用いる事も効果的と思います。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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