自分の発想は豊かな方だと思っていたが、
みんなの意見やその発想を広く聞くようになってから、
自分ひとりの発想や思い付きなどよりも、
みんなで考えた方がはるかに幅広くて、はるかに面白いことが良く解ってきた。

ある程度の規模の組織を、
独自性を持ったある方向へ引っ張っていくには、
発想力豊かな一人の人間の感性で、
物事を捉え、判断し、
実現のための行動を組み立て、
一人の人間が強いリーダーシップで、みんなを引っ張って行くのが、
その行動全体に統一性がありつつ、一番速い手法である。
変に集団指導の形を取るより、
強い指導力と、大きな実現力を持った一人に、
すべての権力と権限を集中させた方が、物事を早く実現することが出来る。
その一人とは、
多くの場合、創業者である。
しかし、創業者は、若い頃から激しく生きていることが多いので、
類まれな体力を持ちながらも、
長生きすることはそれほど多くない。
だから、多くの場合、不意に代替わりをせざるを得ないことが多いので、
よほど前もって代替わりの準備を進めていたつもりでも、
うまく行かない場合が多い。

それは、
二代目にも自分と同じような姿を期待し、
同じような姿に作ろうとするから、いけないのだと思う。

二代目は創業者と同じようなタイプではいけない。
創業者は最初から経営者なので、
創業者らしい独創的な経営が出来るが、
しかし二代目は最初から経営者ではないので、創業者のような経営は出来ない。
だから、創業者とは似ても似つかぬタイプでいい。

複数の経営者が、力と発想を出し合って、
会社全体のみんなの力を素直に集め、
創業者一人の発想などより、
10倍も100倍も面白く大きな発想力で、
創業者が思いもよらなかったような面白い事を、みんなでやってのければいい。

その方が面白い。
それでいいのだと、思うようになって来た。