2012年11月18日(日曜日)
11.18.出るのはため息ばかり、#35 今年最終のレース
太平洋側は全国に晴れて、富士周辺もさわやかに晴れ上がった。
今日はJAFGPの二日目。
予選2位のアンドレア・カルダレッリの決勝の日だった、
車も異常なし、
アンドレアもイタリアから彼女が来ていて、
モチベーションは最高潮。
スプリントレースのJAFGPはスタンディングスタートで、
スタート時に順位が大きく変わる可能性のあるスタート方式。
不安はスタートだけであった。
スタートが近づきコースインして
3回ピットをアウトインしてタイヤを暖め、
スターティンググリットに並んだ。
今期初めてのフロントロー、一番前の列のイン側に車を止める。
前のケースに続いてサインガードに座った私達の目の前だ。
メスニックが近づくと、アンドレアが何か言った。
大急ぎでメカニックが#35のフロントのカバーを空けて何かを調整する。
直にフォーメーションラップの時間が来て、
メカニックたちがコース上から去る。
一周フォーメーションラップを回って、
一旦グリットに着き、ランプが点灯してスタート。
スタートは危険なので私達はサインガードからピットに戻り、
スタートを映すテレビを注視する。
スタートは、失敗であった。
ほんの少し出遅れて
あっという間に二台に抜かれ、2位から4位に下がる。
4位のままで1コーナーから100Rを回りヘアピンコーナーに入る所で、
5位の#1S.RoadGT-Rが、我れらが#35のインを刺そうとして接触した。
瞬間であったが、#1が、
#35の左後ろのディフューザーをもぎとった。
ディフューザーというのは、リヤのダウンフォースを生む重要なエアロだ。
これで車のバランスが崩れて、ドライビングが難しくなるが、
アンドレアはその崩れたバランスに適応して頑張った。
スタートで#35を抜いた#12カルソニックGT-Rが、
スタート時のフライングと判定されてドライブスルーのペナルティを受けた。
どうりで#35が抜かされたわけだ。
その#12に前をふさがれてもう一台にも抜かされたのか。
いずれにしても#12がペナルティをこなす間に#35は3位になった。
前を行く2台を#35は果敢に追い始め、
一時はその間を詰め始めたかと思ったが、
10周目位からにわかにタイムが落ちて来る。
すべてのセクターで0.5秒近く落ちて、
1周1秒以上落ちてきて、後続の車に次々とパスされ始め、
終盤には、とうとう10位にまでポジションを下げた。
後で聞いた話だが、
ディフューザーをもぎ取られ、
エアロのバランスを著しく崩し、
それでもほとんどタイムを落とさず頑張ったが、
フロントのタイヤに無理が出て、タイヤがだめになり、
タイムがずるずると落ちてきたそうだ。
そういう意味では、1周目の接触ですべてが終わっていたのかもしれない。
あるいは、スタートで、
後ろの#12がフライングをしなければ
#1が接触するようなポジションまで落ちなくても良かったのかもしれない。
さらに思えば、#12がフライングをしても抜けないくらい、
いいスタートを#35がすれば良かったのかもしれない。
せっかく予選2位というトップを十分に狙えるポジションからのスタートで、
結果として10位ゴールは、
・・たら、・・・れば、と、
・・ため息ばかりが出て、
思い返すと、つい、涙がちょろりと出てしまう悔しいレースでした。
しかし、確実に車は速くなっているし、
ドライバーもGT500に慣熟してきているし、
チームのムードも最高に良くなって来ているし、
来年の#35KeePer Kraft SC430は、
間違いなく表彰台の常連になると思っています。
何度も何度も、深いため息をつきながら、本気でそう思っています。
今年はこれで
GT500#35KeePer Kraft SC430によるレースはすべて終わりました。
※中村カメラマンからの今日のレース、スタート直後の写真
すでに4位にまで下がっている。
左後ろのディフューザーが無い。
本当は昨日の夜送ってくれると思っていた「雨の中の昨日のレース」の写真。
国本雄資選手の苦闘ぶりが分かる。