2012年10月06日(土曜日)
10.6.口が達者な人が、なぜ信用されないのか
「口が達者な人」といえば信用でない人の代名詞のように言われる。
話すことが上手い、口が達者だとなぜ信用できないのか。
口が上手い人[Z]は、
[a]のことを、いかにも[A]であるかのように、つい言ってしまうからだろう。
[a]と[A]は、同じように「エー」だが、
本当は[a]なのに、[Z]が「エー」と話すと、
聞いた人[G]はみんな、それが[A]だと思ってしまう。
なぜならば、[Z]には、「エー」が[A]とある方が都合がいいから、
だから[Z]は、
わざわざ[G]が「エー」が[A]であると思い込むように意図して話すのです。
そして、[A]だと思い込んだ人[G]が、
いつか「エー」が本当は[a]であることに気がついて、
その口が上手い人[Z]に、
「なんだ「エー」は[A]じゃなくて、本当は[a]だったんじゃないか。騙したな。」
と詰め寄ると、[Z]は、
「私は[a]のことを「エー」と言っていたんだ。[A]だとは一言も言っていない」
[G]にと居直る。
そんなことなのだろう。
自分のミスや間違いを、口達者に言いくるめ、
自分のミスや間違いではなかったように誤魔化してしまう人はよくいる。
それも同じような構造のことだろう。
第三者から見ると「エー」は[a]だとすぐ判るので、
「エー」が[A]だと思い込んだ[G]には、
その第三者が、それは[a]だと注意しても、なかなか信じられなくて、
かえって、その注意してくれた第三者のことを疑ってしまう場合もある。
しかし、
本当は[G]にとっては、「エー」が[A]であっても[a]であっても、
大した違いはなく、別に問題はなかったので、
[a]を[A]として誤認識して実害があったわけでもない。
しかし[Z]が、ちょっとした自分の都合で
[a]を[A]と思い込むように[G]に話したことが許せなかった。
どちらでもいい事で、
[Z]は、[G]からの信用を失ってしまう。
そんなこともある。
すべからく本当のことを、そのまま話した方がいい。
[a]でも[A]でも大して変わりもしないのに、
わざわざ「エー」を[A]だと思い違うように上手に話してしまうと、
[a]と[A]の違いで発生する[Z]のほんの”小さな得”よりも、
はるかに大きな「信用を失う」という”大きな損”をする事になる。
口達者な人、口上手の人が、つい、はまりがちな罠なのでしょう。