谷 好通コラム

2012年09月20日(木曜日)

9/20.達成会のジレンマ

会社として、営業本部もキーパーラボ運営本部も、
それぞれの部署、店舗に販売予算を決めています。
毎年、決算の前々月くらいから本部長以下部署、店舗の責任者たちと、
よく相談して決算前に次期の厳しい予算を決定します。
これは当然のことであり、普通の会社のすることです。

 

その上で、みんなの不断の努力で予算を実績がオーバーしたら、
それぞれに「達成会」、つまり「飲み会」を開きます。
最初から簡単に達成できるような予算ではありませんので、
それを達成した時のみんなの盛り上がりは大したものであり、
同じ飲み会でも達成会は格別に楽しいものです。

 

前々期までは、
達成会は8月とか12月の繁忙期が終わった時にやるのが常で、
他の月は、特別に高い達成率があったり、
1年連続達成を成したような部署・店舗で行っていました。
達成会は予算を達成すれば必ずやるものではない不定期の飲み会でした。

 

しかし、
前期が始まる前、あることに気がつきました。
私たちの会社の給与には、
毎月定額の部分と残業、休日出勤などの部分に加え、
実績に伴って変動する成果給と達成金など報償の部分があります。
みんなで頑張った部署・店舗には
それなりの励みが、報酬として必要だと思っているからです。
しかし、自分の給与のある部分が実績で上がったり、達成金がついても、
それをまったく気にしなかったり、
知らない人までいることに気がつきました。
給与明細と振込まれた給与そのものをすべて奥さんが管理していて、
働いている本人には、
奥さんから与えられる1万円とか多くても数万円の
お小遣いと称するお金が入ってくるだけで、
給与が、実績の成果によって上がったり達成金がでていても
自分には関係ない人が思ったより多かったのです。
これでは、報奨の意味がまったくありません。

 

田んぼを耕し、田植え、
草取り、稲刈りをして「稲」を育て「コメ」を収穫しても、
ほとんどのコメを高い年貢と地主に取られてしまって、
造った本人たちは盆と正月ぐらいにしかコメを食べることはなく、
いつもイモとか麦ばかりを食べて腹を空かしている貧しい小作人のような
そんなイメージを与える者もいました。
これではイカンなと思ったのです。

 

それで実績の上下、予算達成の部分の変動の幅を少しだけ狭くして、
達成した折には、
達成した本人にいっぱい達成感を味わってもらうために、
達成会で飲んで、目いっぱい騒ごうと、
去年の7月から予算を達成したら毎月、必ず達成会を開くようにしました。
これは長崎のマツハヤ石油さんから学んだことも大きなきっかけでした。
これは想像以上の効果で、すごく活気が出たような気がします。
特にお小遣い亭主は盛り上がります。

 

しかし、
みんなの努力もさることながら
クリスタルキーパーの大ヒットのおかげもあって、
予算を達成する部署・店舗が多く、
頻繁に達成会が開かれるようになると、
バカ騒ぎが少々収まってきて、
逆になにか、バブルの時代を髣髴させるような空気が流れ
自分たちに厳しい風潮が薄くなってきたような気もします。
これは私たち自身の問題でもあるのでしょう。自戒せねばと思います。

 

むずかしいものですね。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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