2012年09月04日(火曜日)
物販には「ありません」は有るが、サービス業には無い
ある店舗に、数年落ちの外車に乗った初老のお客様がやってきた。
「タイヤコーティングはあるかね。」
店舗のスタッフは、
「タイヤコーティングは無いですね。」と言った、
確かに私達のメニューには「タイヤコーティング」という名前の商品は無い。
お客様は「そうか、無いならしょうがないね。」と、
言い残して去っていかれた。
これは物の販売をしている物販の店舗としてはOKなのでしょうが、
我々のようなサービス業ではNGの答えです。
物を販売するビジネスとは、
姿かたちのある商品を仕入れ、
それを小売りすることがビジネスだから、
お客様が指名された商品の品揃えがその店舗に無ければ
「ありません。」が正解であり、無い物をあると言ったら嘘になる。
だから「ありません。」
あるいは「今はありませんが、お取り寄せできます。」
あるいは「その商品名の物はありませんが、こちらの商品も評判いいですよ。」
とか、とりあえず「ありません」が基本になる。
しかし我々のビジネスはサービス業であり、
すでに出来上がっている形ある商品を販売するわけではなく、
お客様のお車を、
私達の道具とケミカルなどを使った私達の作業によって、
お客様のお好きなようなキレイさを作り、守り、
お客様に「気持ち良さ」とか「快適」「満足」を提供するビジネスです。
物販が販売しているのは「物」であって、
サービス業が販売しているのは、
きれいになる「事」、あるいは守る「事」など「事」を販売しています。
だから、
たとえば「タイヤコーティングはあるかね。」と聞かれれば、
「ありません」はNGであって、
お客様が希望されていることを、
「はい、ありがとうございます。タイヤをツヤツヤにしておかれたいのですか?」
「タイヤの保護をお望みですか?」
「どれくらいの効果をお望みですか?」など、
まず、お客様が望んでいらっしゃる”事”を”お聞きする”ところから始まります。
私達が販売しているのは「事」であり、「物」ではありませんから、
お客様がどんな事を望んでいらっしゃるのか、お聞きしなければ分かりません。
私達の店舗は、
お客様が望んでいらっしゃるお車がキレイになる事、守る事を実現するために
たくさんの事が出来ます。
メニューに乗っていないような事まで出来ます。
だから、まず、
お客様がおっしゃった言葉が
何を望んでいるのか、その意味をお聞きする事です。
そこからが我々サービス業の本領発揮です。
お客様の望みをどこまで実現できるのか、お客様と一緒に、捜していきます。
ひょっとしたらあのお客様のおっしゃる「タイヤコーティング」とは
「ホィールコーティング」のことだったかもしれませんね。
そろそろ鹿児島に向けて降下が始まりました。
PCをしまわねばなりません。