2012年08月04日(土曜日)
お母さんに抱かれ、泣く子供
新潟から帰り、飛行機の中、
エンジンの音におびえたのか、
お母さんに抱かれた小さな男の子が、大きな泣き声で必死に泣いている。
小さな子供は、自分が飛行機の中にいることも、
自分が乗った飛行機が今空を飛んでいることも理解できないのだろう。
狭い空間で、聞いたことのない爆音が響き、大きな振動に
恐い、恐い、と泣き叫んでも、
いつものようには、お母さんはその音を消してくれないし、
外へ出してもくれない。
なぜ、お母さんは、僕を助けてくれないの。
子供を抱くお母さんは、子供の大きな泣き声が、
他の乗客に迷惑になる事はわかっていても、
申し訳ないと思っても、
決して「泣くのをやめなさいっ」と怒鳴ったりはしない。
ただ、
ただ、やさしく、
「だいじょうぶだよ、、」とつぶやきながら、
やさしく抱いて、
微笑みながら、静かにトントンと背中をたたいてあげるだけ。
親は子供の幸せを願うだけ、
ただただ、親は、
子供をやさしく抱いて、やさしくトン、トンとたたいてあげるだけ。
周りの人に申し訳ないと思いつつも、
やさしく、微笑みながら、やさしく背中をトン、トンとたたいてあげるだけ。
やがて子供は、爆音も忘れ、恐怖も忘れ、
静かに、トン、トン、とされながら、眠る。
私が、足をさすられると、たちまち眠ってしまうのと同じなのかな。
ほぼ満月が、赤く西の空から上がってきていた。
左に満月。
そして、右に「打ち上げ花火」が写っている。
あれは方角的に刈谷の花火大会だ。