2012年05月22日(火曜日)
「言う」のは手段であって目的ではない
昨日、最悪のトラブルが発生したと書きました。
今、アイ・タック技研ではメールアドレスの統一を図っています。
何年か前、キーパーラボが「快洗隊」と名乗っていたころ、
㈱快洗隊という別法人で運営していました。
そのころの名残で、
快洗隊関係のスタッフのメールアドレスは(・・@kaisentai.com)
アイ・タック技研関係のスタッフは(・・@sensya.com)と使っていました。
これは現在でも続いており、
それを、今は会社が一つになっているので、
メールアドレスを全社統一で(・・@itacgiken.co.jp)にしようとするものです。
私はITの事はど素人なので、
アドレスを統一する事にそれほどの意味を感じませんでしたが、
コストがかかわるわけでもなく、こうしたほうがキチンとしているのでと、
まあ、そう言われればそうかなと思って進めたのですが、
移管に関わる手順の中で、不手際があって、
ある時間からメールの送信も受信もできなくなってしまったのです。
担当者に問い合わせると、
昨日、みんなに送ったメールの中で、
今のPCの設定を変更しておくように知らせたと言うのです。
その設定変更がされていれば、問題は起きないはずです、とも。
確かに私もそんなメールを受け取って、内容を読んだ気もするのですが、
よく理解できずに、そのままにしていました。
それをしないとメールの送受信が出来なくなってしまうとは、
まったく認識しませんでした。
すると他の者からもメールが送れないという声が聞こえ始めました。
と同時に受信も出来なくなって、
私は担当者を怒鳴りつけました。
「設定変更をするように、メールでみんなに知らせたから、
それで良いという訳ではない。
その内容がキチンとみんなに周知徹底されたかどうか、
そして、その変更がキチンと成されたかどうか、
それを確認してから、
次のステップに移るべきだろう。
それが成されていなかったらメールの送受信が出来なくなるような、
そんな一大事を生むかもしれないステップを、
“メールで知らせてからやりました”とは、何事か。バカモン。」
と、
文字にすると穏やかに話しているように見えますが、
かなり、感情的に、大きな声で怒鳴りつけたのです。
それは夜になってからのことであり、
すでに退社していた担当者は、
外出先の近くにあった漫画喫茶に飛び込み、
漫画喫茶のPCで、必死になって復旧作業して、何とか事態を収拾しました。
それで結果的には事なきを得たのですが、
ヒヤヒヤものの大失態でした。
こういうことは本当によくあります。
特に技術研修の時、
私たちの目的は、
研修の中で一通りの説明をする事ではなく、
研修を受ける皆さんに「出来るようになっていただく」ことです。
肝心なのはインストラクターが「何を言ったか」ではなく、
「何が伝わったのか」が問題であり、
その結果として「出来るようになったか」なのです。
「言う」とは行為としての手段であり、
「伝わり」「出来るようになる」と言う目的ではありません。
言っても、伝わらなくては、出来るようになるわけがありません。
たとえ伝わっても、
相手に理解できなければ、
結果的に出来るようにはならないのです。
そして出来なければ、
お客様に満足していただける品質のキーパーコーティングは作り出せず、
その人の店舗は成功しません。
私たちの仕事の最も重要な目的は、
施工店の皆さんが成功することです。
技術研修に来られる方々も、それが目的です。
それでお互いが幸せになれればOKです。
お互いの目的は一致しているのですから、
昨年も一年間で約13,000(昨年実績)人もの方が研修に来られました。
「言う」ということで、目的が達せられるのではありません。
相手に「伝わり」、それを「理解していただいた」ことで、
「出来るようになる」が実現して、
研修をさせていただく方も、研修を受けていただく方も、
成功につながるという訳です。
昨日のトラブルも同様なことで、
「メールで知らせた」だけでは、
「伝わったかどうか」は解らないし、
「理解したかどうか」も解らず、
同然、
「出来るようになったかどうか」もまったく解らず、
ましてや、みんなが「やった」かどうか、まったく分からないまま、
「やらなかったら」仕事に大きく支障が出るような変更は、
絶対にするべきではなかったのです。
しかし、怒鳴りつけるのはよくありません。
本当によくありません。
相手を必要以上に傷つける挙句、後味の悪さがいつまでも続きます。
私が怒鳴りつけたIT担当責任者は、わが息子です。