谷 好通コラム

2012年02月24日(金曜日)

2981.「えっ、そんなこと当たり前ですよ。」

昨日、青森空港への着陸はちょっとスリリングであった。
霧が出ていて規定の視界の距離「視程」が取れず、
天候調査という空港上空をぐるぐる旋回し続けること1時間以上、
「少し天候が回復したので、青森空港に着陸を試みます。」の機長の放送があった。
青森空港は小高い山の上にあって、
霧(というより低い雲)がかかりやすく、欠航率が日本一高いの空港だそうだ。
この日も低く垂れ込めた雲が空港のあたりにあって、
視程が取れていなかったらしい。

 

真っ白の霧(雲?)の中、順調に高度を下げ、
かなり高度を下げてからフラップを降ろし、まもなく車輪を下ろす。
まだ下は見えない。雲の中だ。
と不意に視界が開けたと思ったら、すぐに滑走路が見えて、すぐ着陸。
かなりギリギリまで雲が下がってきていたらしい。

 

着陸接地したとたんに、客席から歓声と拍手が一斉に起こった。
着陸した時に拍手が起こったのは本当に久しぶりである。
それだけみんな緊張した場面であった。

 

天候調査のための旋回は、
飛行機に乗り始めてから何回かはあった。
でも10回まではない。
昔、沖縄に飛んだ時には天候調査の結果、なかなか降りられずに、
いったん鹿児島空港に戻って、
飛行機に乗ったまま1時間ほど待ってから、再び沖縄に向かい無事着陸した。
それがはっきり記憶にあるくらいで、
あとはすべて旋回ののち無事に目的地に着陸した経験ばかりである。
空港まで行って目的の飛行機が欠航になった記憶もほぼにない。

 

十五年以上も前から、月に数度、多い月は十回以上も飛行機に乗っているので、
たぶん、もう一千回以上は飛行機に乗ったが、
「行き先の空港の天候が悪いので引き返すこともある。」の条件付飛行もあったが、
まだ一度も目的の空港に到着せず引き返したことはない。
たぶん、ものすごく運がいいのだろう。

 

少し遅刻して、青森・弘前市の㈱弘善商会さんで、
マネージャーの皆さんに色々と話をさせていただいた。

 

キーパープロショップ研修会の内容に沿ったものだが、
ここでの話しでは、
マネージャーさん達から研修会とはかなり違う反応があり、
ものすごく面白かった。

 

 

昨年8月に取った一般消費者を対象としたWebアンケートを元に
カーコーティングの需要がどんな傾向を持っているのかを
色々な角度で分析しながら話を進めていく。

 

そして結論は、
洗車と、コーティングでは、
お客様にとって、商品としてのカテゴリーが違うということ。

 

洗車はその場、
汚れを洗い流して車をきれいにする商品であり、
コーティングは、
持続的に車の塗装と美観を守る商品であって、
その場が極めてキレイになることは副次的なことでしかない。
つまり、
お客様の購買目的が違うので
「洗車とコーティングは関係ない。」と考えてしまって構わない。
洗車とコーティングは、マインドの部分でまったく関連がない訳ではないが、
お客様としては、やはり、関係のない商品である。と考えた方が自然である。

 

とするならば、
洗車は、
SSで(車を連続洗車機以外で)車を“洗ってもらっている人”は全体の20%程度。
そして自宅あるいはコイン洗車場、SSの連続洗車機で、自分で洗っている人が72%。
コーティングは
すでに施工している人が全体の50%近くあり、
潜在的な層まで考えればゆうに半数以上の需要層がある。
それはSSで洗ってもらっているかどうかは“関係なく”半数以上に存在している。
だから、
SSで車を洗ってもらっている人たちだけに、
コーティングのご案内をしてもコーティング需要層全体の20%しかカバーしていない。

 

コーティングのご提案は、洗車とは関係なく、すべての人に対して行なうべきもの。
コーティングはプロの技術を持っている我々が施工しても、
洗車はご自分でされる人のほうが多いことを認識すべき。

 

洗車は雨の日、雪の日にはほとんど需要はないが、
コーティングはほとんど天候と関係なく需要がある。

 

というように、
コーティングの販売は洗車の中で考えてはいけないと、
いくつかのデータを示しながら結論に持っていくのだが、
多くの人は、このことに感覚としてなかなか理解できないので、
色々な例とデータで、たくさんの人に分かっていただくために苦労するのだが
ここか一番苦労する。

 

しかし、
私が「洗車とコーティングは関係ないですよね。」と話すと、
㈱弘善商会さんのマネージャーさん達は、
「えっ、そんなこと、当たり前ですよ。」という表情をされる。

 

そう、ここの人たちは、それをもう知っているのです。

 

実際に、今年特に雪の多かった青森・弘前で、
吹雪いているような日に、当たり前のようにクリスタルキーパーを何十台も施工し、
雪の日には洗車は、どこまで拭き上げて分からないので困ってしまうが、
(拭いてもすぐに雪がかかって濡れてしまうから)
コーティングなら、お預かりしてやるし、
場所さえあれば、平気でやれる。とおっしゃる。

 

雪が降ると洗車が減るからコーティングだって無くなってしまう。
と多くの人が思いがちだが、
㈱弘善商会のマネージャーさん達は、
もう、まったくそんな風には思っていない。
雪が降ると
「洗車がなくなってしまうから、一生懸命コーティングをやらなくっちゃ」と思う。

 

これは、実は本当に簡単なことなのだが、この差は大きい。

 

この自然の中で、平然としてクリスタルキーパーを施工する感覚。
実は本当に簡単なことなのだが、この差は大きい。

 

 

青森空港から羽田空港への便は、
JALのMD-90であった。久しぶりに乗ったが、これはいい飛行機です。

 

 

東京で仕事を終えて、
夜、ゴルフGTIカップレースで共に戦った「怪人 大田中さん」といっぱい話しをして、
酒を飲んだ。知れば知るほど怪人の大田中さんだったのです。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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