2012年01月21日(土曜日)
2959.あれっ!? コスモス?
私は社長らしくない。
少なくとも見た目、私は社長らしくない。
仕事以外の時間、私を見た人は、
私が社長をやっていると思う人はほとんどいないのではないか。
だいいち私は仕事用の背広とパジャマがあれば人生の98%ぐらいを過ごせる。
仕事大好き人間で仕事をさっぱり休まないので、
いわゆる普段着というものをここ何年来買っていないのだ。
本当は家の者が買っているのかもしれないが、着る機会が無いので私はそれを知らない。
だから、仕事をしている時以外は、
私はどう見ても、
センスの悪いデブなオッサンなのです。
でも、普段、
仕事ではダブルの背広を着ることが多いので、
その格好はちょっと偉そうで、
私はデブでもあるのでそれを貫禄と見てくれる人には社長みたいかもしれないが、
シングルの背広は、お腹が冷えるので、ダブルの背広を着ているだけで、
決して社長らしく見られたいわけではないのです。
というよりも、私はむしろシングルの背広にあこがれているので、
ここぞという大切な日はおなかが冷えるのを我慢し、
無理してシングルを着るくらいなのです。
礼儀として、仕事の時は背広を着るが、
自分の部屋で仕事をしている時は100%背広を着ていない。本当はキライなのだ。
それに、よそに行った時、キチンと背広は着ていても、
いつもアンバランスな部分がある。
「靴」です。
いくら立派な格好をしていても、
「靴」を見ればその人が本当の金持ちかどうか分かる。と、よく言われる。
デパートの店員さんとか、レストランの人たちは、
金持ちぶった人を、本物か無理しているだけなのか、
「靴」を見て見分けるのだそうだ。
その点、
私はいつも必ず何ともしょぼい靴を履いている。
これはシューフィッターという特殊な技術を持った人に合わせてもらった靴で、
私のように足に障害を持っている人には救世主のような靴なのです。
地元大府市に偶然にシューフィッターを見つけ、
そのおかげで私の行動範囲は劇的に広がった。
私が今あるのは、実はこの靴のおかげがものすごく大きいのです。
10数年前からまったく同じ型の靴を履いているが、
この靴は5〰6ヶ月しか履けないので、もう30足目くらいになっているはずだ。
私はこの靴のおかげで今はほぼまともに歩けているが、
この靴を脱いで裸足になると、まともには100mも歩けない。
ドイツ製でけっこう値段が高いのだが、
見た目はどう見ても数千円の靴にしか見えない。
だから、どんなにキチンと背広を着込んでいても、
「本物は靴を見れば判る」と思っている人には、私はずっとニセモノなのです。
そんなことはどうでもいいこと。
私は、見た目を誰にどう見られてもまったく気にならない。
アイ・タック技研の恥になってはいけないので、
キチンとした格好をするようにはしているつもりだけど、
本来、見た目はどうでもいいと思っている部分があるので、
たぶん、いつもスキだらけです。
でも見た目しょぼい靴を必ず履いているので、かえって気になりません。
「らしく」って何でしょうか。
私は、つい、どうでもいいことと思ってしまうので、
まずいこともあるけど、直そうとしないので、さっぱり直せません。
世の中には、社長らしく見られることをいつも気にし、
社長らしく威張って、偉そうなことばかり言っても、らしいばかりで、
社長としての能力も、仕事もできない社長もいる。
自分はそうではないと私も思ってはいても、分かったものではない。
しかし、“らしく”見られたいとはまったく思っていないことだけはたしかです。
いつも自省すべきなのでしょう。
なぜこんなことを思ったのかというと、
昨日、わが社が誇るデザイナーさんが
「春のためのチラシ」をデザインしている後ろを通りかかって変なことに気がついた。
春を表現しようとしたのか、
ピンクの花畑がデザインの中にあったのだが、
その花畑に見覚えがある。
コスモスの花畑なのだ。
たしかに春はピンクのイメージであり、ピンクの花畑はありそうなのだが、
コスモスは日本語漢字で書くと「秋桜」。秋に咲く代表選手みたいな花で、
春とは縁が無い。
愛すべき我がデザイナーさんは、花草にはまったく興味の無い男性で、
春らしい→ピンク→ピンクの花→コスモス畑、と気軽に使ってしまったようなのです。
春“らしい”ピンクの花畠は、秋の花だったのです。
これは面白いと、嫌がるデザイナーさんをなだめて、
コスモス畠の春のチラシを、無理に送ってもらいました。
もちろん、お願いしたわけではないが、
「桜の花」に入れ替え修正したデザインも一緒に送られていました。