2011年10月03日(月曜日)
2881.ありゃっ?お前、玉が無いじゃん
メス猫が二匹います。
もう何年も前から飼われている「チーちゃん」と、
あとから家にやってきて、まだチーちゃんと折り合いがうまく行っていないので、
家の中で別居状態のメス猫「リンちゃん」の二匹です
二匹はまだ一緒の空間で暮らすほど仲がいいわけではありませんが、
それでも平和な生活でした。
チーちゃんは猫用に小さな扉から出入り自由ですが、
リンちゃんは家の中だけで暮らして、
その別居の方法は非常にややこしいのでここでは割愛します。
ところが、何ヶ月前から
シャムが混じった白いオス猫が家の周りに出没するようになったのです。
触らせはしませんがおとなしい猫なので、どこかの家の飼い猫かもしれません。
でも首輪もしていないし、汚いので仮に「ノラ」と呼びます。
オス猫はサカリが来ると、よく家出をして、
メス猫を探し、オスとしての動物的本懐を遂げようと何日も、何ヶ月も遠征します。
その行動範囲は驚くほど広いそうです。
「ノラ」も、そんな遠征中だったのかもしれません。
この家に二匹もの若いメス猫を見つけて、
特に外に出てくる「チーちゃん」に付きまとうようになり
家の周りに居ついてしまったのです。
「チーちゃん」はそんな「ノラ」が大嫌いで、
「ノラ」が近づいてくるとシャーっと怒って威嚇し、
時には、取っ組み合いをして嫌がっています。
しかしそんなことで引き下がっていてはオスとしての本懐は遂げられません。
しつこくつきまといます。
そのうちにノラは小さな扉から家の中にまで上がりこんで、
こともあろうか、チーちゃんのエサを食べてしまうようになりました。
この図々しいノラのおかげで、
チーちゃんはお腹がペコペコでかわいそうなものです。
見かねた飼い主は、
仕方ないのでノラ用に別のエサを家の外に置いて与え、
ノラがチーちゃんのエサを食べてしまわないようにしたのです。
エサをもらえるようになったノラは
可愛い顔をしていて、
家の外のエサが無いと
かぼそい声で「ミャ~~、エサがないよ~」と鳴いて呼びます。
これでは
ノラを餌付けして家に居座ってもいいと許可したようなものです。
案の定、ノラは家の人がいない時、家の中に上がりこんで
クッションでのうのうと昼寝までするようになりました。
そんな時、チーちゃんは寂しそうに家の外でウロウロしています。
このままでは、チーちゃんは家出をしてしまうかもしれません。
ノラも可愛いけど、チーちゃんが家出しなければならないのは許せません。
チーちゃんはノラが本当に大嫌いなのです。
困り果てた飼い主は、
近所の仲のいい獣医の女医さんに相談しました。
女医さんはその相談に、
「去勢したら? 玉を取っちゃえば? チーちゃんに付きまとわなくなるよ。」
そう、オスのオスたる所以は「玉」にあるのです。
「玉」から出る男性ホルモンで、オスはオスらしい行動を取るのです。
本当かどうか知りませんが、
アメリカのどこかの州では性犯罪を繰り返す男に、
「去勢手術(玉取り)」を義務付ける罰があるそうです。
困り果てていた飼い主は「わかりました。」と答え、
ノラを捕獲する事にしました。
簡単なことです。
家の外にペット用のケージを置き、
扉を開けてケージの中にエサを置いて、
二三日ケージの中でエサを食べさせ、ノラが油断した時に扉閉めて一丁上がり。
難なく捕獲されたノラは女医さんの元に運ばれ、あっという間に「玉抜き手術」
ケージに入れられて二三日経ってから放されたノラは、
もう家には寄り付かなくなりました。
完全な野良猫に戻ったのか、遠征中だったらノラの元の家に戻ったのか。
全く分かりませんが、
いずれにしても、
大嫌いなノラがいなくなったチーちゃんには、
家の中と外をのんびりと行き来する平和な生活が戻ったことは確かです。
野良猫を減らす策として、
野良猫の去勢手術をするのはよく行なわれている事です。
(ちなみに手術料7,000円)
しかし、
ひょっとしてノラがどこかの猫で、
元の家に戻ったとしたら、
オス猫の「玉」は普通、股からクリッと飛び出しているので、
久しぶりに戻った「×○△」の名前を持ったノラを、
飼い主が見て、
「ありゃ×○△? お前、玉が無いじゃん。どうしたん?」と不思議だったでしょう。
それを思い浮かべると、・・・・・つい
獣医の先生の言うことには
「オス猫は玉を取って去勢すると、メス猫よりも甘ッたれの可愛い猫になるのよ。」
人間のオスも、玉を取られるとメスよりも甘ったれになるのでしょうか。
玉があっても玉を抜かれたような甘ったれた男は
・・・一体何を抜かれたのでしょう。
男が大嫌いなチーちゃんに平和が戻りました。