2011年09月14日(水曜日)
2867.なぜ始めたのか「ラボ・カップ」
私のブログの9月7日の話「2862.全員現役バリバリ」に
キーパーラボの店長チーム会で「ラボ・カップ」が始まったと書きました。
しかし、あの話の中では「ラボ・カップ」が何の事がよく分からないと思いましたので
ちょっと説明したいと思います。
「ラボ・カップ」とは、
純水手洗い洗車の「撥水コート洗車」の「作業タイムを競う」競技です。
以前にも、ピュアキーパーの「タイムトライアル」と言って、
洗車後にピュアキーパーのコーティング作業のタイムを競うことがありましたが、
今やっているのは「洗車」の作業タイムです。
以前の「タイムトライアル」は、
時間・スピードばかりを競って、
品質の部分をおろそかにするような風潮になってきたので、やめました。
お客様の望むのは早いこと=時間品質もありますが、
キチンとキレイになる=商品品質が保たれてからこその時間品質です。
(キチンと作業時間を守ることを「時間品質を守る」とラボでは言っています)
いい加減な品質では、いくら速く作業が出来たとしても、
それを喜ぶお客様は誰もいません。
元々あの頃の「タイムトライアル」も商品品質と時間の両方を競うものでしたが、
残念ながらただのスピード競争になったのでやめました。
というより禁止しました。
そんな過去の教訓から、
今回の「ラボ・カップ」では、商品品質についてのみならず、
作業の一つ一つの動きについてまで厳しい基準で採点した上で
「90点以上」を条件に、作業時間を競うことにしたのです。
タイムを競って厳密に採点しての90点以上は非常に難しいレベルで、
90点より低ければ、出したタイムは無効になります。
料理人とか、板前さん、車や機械の修理、工芸品を作る職人さん、
などなど、手につけた技術を活かす仕事は、
いずれの場合も「仕事がうまい人ほど、仕事が速い」のが常識です。
「いい仕事をするけど、仕事は遅い」などという腕のいい職人さんはいません。
仕事がうまい人は、当たり前のように仕事が速いのです。
洗車・コーティングにおいて、
作業マニュアルを間違いなくこなすだけなら、
即席の訓練でもやれないことはありません。
間違えないようによく気をつけ、意識して慎重にやれば出来るでしょう。
しかし、それだけでは普段の作業でいつもキチンできるかと言えば、難しいでしょう。
普段の作業で、「あれはこうして・・・、順番は・・、」などと
いちいち考えながら仕事はやっていられません。
何も意識せずに、いちいち考えずに作業をしても、
体が自然にマニュアル通りに動くようにならなくては、
いつも高い品質の仕事を提供し続けることは出来ません。
それには一つ一つの動作が体に染み付いている必要があります。
いちいちマニュアルを思い出さなくても、
つまり何も考えなくても、自然にマニュアル通りに体が動く。
そうなって初めて、普段から、きちんとした商品品質の作業が出来るようになります。
自然に高い商品品質を実現できるようになり、
そこまで行って初めて”うまいっ”と言えます、
技術を体に染みこませるには、
何度も何度も集中して一生懸命作業をすることですが、
のんびりとやっていては、ちっとも技術が体に染みこんでいきません。
全力で、集中して作業を行います。
全力での作業とは必然的に速い作業です。
一つの仕事を順序良く憶える段階では、
まず、頭と手で仕事を憶えます。
頭と手で仕事を憶えたら、今度は、
全力で、正しく、集中して、時間を限定して作業することを繰り返します。
そうしてやっと「仕事が身に付く」ことになります。
仕事を、いつも、うまく出来るようにするには、
仕事を正しくキチンと、しかも速くやれるようになる訓練をします。
それが仕事を身に付ける一番の早道なのです。
商品品質の高い仕事をする事と、
速く仕事をすること=時間品質の高い仕事をする事は、
相反する事のように思えますが、
実は表裏一体の関係なのです。
だから、
キーパーラボでは作業時間を競う競技を「ラボ・カップ」銘打って復活させました。
でも「ラボ・カップの本当の目的は、実は商品品質の向上」なのです。
以前のタイムトライアルも同じ目的であったのですが、
いつの間にか、時間だけを競い、商品品質を疎かにした
ただのゲーム感覚の競技になってしまったので、やめましたが、
だから、今回のラボカップでは、
「商品品質と綿密な作業動作チェックを、二人の審査員が行い、
90点という非常に難しい水準を越えなければ、一切のタイムを認めない。」
そんなルールで始めたのです。
「速いはうまい。うまいは速い。」です。
最初に各店舗の店長が
地区ごとに5~7名集まる店長チーム会で二回ラボ・カップを実施して、
13名がアタックし、9名が90点を越えられず失格しました。
しかしいずれも80点以上の高得点であり、
16分25秒の驚異的なタイムを出した八王子店の野崎店長などは、
最後の仕上げ確認で、
ドアノブに、羊毛で出来た「ラ・モップ」の「毛」が
二本ひっかかっていたので1点の減点となり、惜しくも89点で失格となりました。
そこまで厳しくやる必要があるのかという位の厳しさの中でタイムを競うことは、
以前の崩れたタイムトライアルからの強烈な反省があるからです。
現在のトップは「18分43秒」「93点」の
キーパーラボ上溝店・内田店長(ハンドルネーム「ウッテー」)です。
チーム会が終わったら全キーパーラボ店舗で、
店長以外のスタッフが挑戦してきます。
これからは体力と運動神経に自信のある若者が次々に出てくるので、
今のよりかなり高いレベルでの戦いになるはずです。
1,885店舗にまで増え続けたKeePer PRO SHOPにも、
そこで施工される商品品質に対する意識をより以上に高めていただくために、
まず、キーパーラボで「ラボ・カップ」を実施し、
ここで得られたノウハウを活かして、
「キーパープロカップ」あるいは、
「クリスタルキーパーの技能コンテスト」等に昇華させて行きたいと考えています。