先日、私の母、お袋が手術をした。
手術と言っても生命に関わることではない。
左足の付け根の動脈に血栓が出来ていて血液の循環が妨げられ、
左足が腫れたり、歩いたりすると痛いので、その血栓を除去した手術だ。
手術しなくても生命に危険が及ぶようなものでもなく、もう82歳の高齢なので
手術するかどうか迷ったのだが、
「また自転車にも乗りたいし、・・」と言ったお袋の一言で決まった。

お袋が、足が痛くなって一番がっかりしていたことは、
自転車に乗れなくなったことだったらしい。
だから、手術をして足が痛みが無くなったら、
また自転車に乗るつもりなのだ。

お袋の手術のモチベーションは「自転車に乗りたい」だったのである。

82歳になっても、まだ自転車に乗りたいから手術を受けるという心の若さ。
なんとも素晴らしいではないか。

私はまだたった59歳。
しかし正直言って、
自分はもう下り坂に入っていると思い込んでいるところがある。
先日のSUGOサーキットでのGTIカップレースで、
去年より今年の予選タイムは1.4秒遅くなり、
決勝レースでのタイムでは4秒近く遅くなっていて、
去年のレースが秋であり、今年は真夏であったことで路面温度が高く、
タイムが遅くなることを差し引いても、
他の人たちがほとんど落ちていないのに、
自分だけがタイムが落ちたことに大きなショックを受けていた。

今までは、毎年経験を積むごとにほんの少しずつでもタイムが上がっていたのに、
今年、初めて明確にタイムが落ちて、自分が峠を越したことを自覚したのだ。

すべてにおいて
イケイケドンドンでやってきた我が人生が、
そのパワーにおいて下り坂に差し掛かっていると自覚した。
だから、それを踏まえた仕事の組み立てをしなければならないと考え、
あまりにも先頭に立って、力づくでも引っ張っていくような姿勢を今改めつつある。

しかし、82歳のお袋が、
「自転車に乗りたいもんね。」と手術を決めたことに、
ほほえましいと思ったと同時に、
老いてもなお盛んなお袋に負けられんなとも思った。

今日、少し時間があったので、
9月1日オープン予定の新店「キーパーラボ豊田店」の工事現場に行ってきた。
工事が始まって初めて現場を見に行ったのだが、
猛暑の今日、炎天下で15分ほど打ち合わせをしただけで汗が噴き出し、
陽の強さに頭がくらくらした。
少し気分まで悪くなって真剣に熱中症の危険を思った。

改めて、我が体力の低下と適応力の衰退を感じ、
SUGOサーキットでのレースでも、
レースの中盤で暑さのために頭がくらくらしたことを思い出した。
「タイムが落ちたのは暑さのせいかも知れんな。本当はまだ行けるのかも・・・・」
なんて性懲りもなく思ったり、
暑さぐらいで影響が出るのではイカンなと思ったり、
今日の私は心が揺れ動くおじさんでした。

キーパー選手権が始まって10日間経った。
猛暑の中、全国のキーパープロシッョプさんから続々と中間報告が届いている。
ざっと数字を見ていても、
今年のキーパー選手権はレベルがかなり上がってきていると実感する。
みんなこの暑い中、本当に頑張っているのだと驚き感動した。

新店「キーパーラボ豊田店」建設現場