2011年06月24日(金曜日)
2815.前回企画の「ご紹介カード」が失敗したわけ
私達の店舗でたとえばクリスタルキーパーなどを施工されていただいたお客様が、
「キレイになった」とおっしゃるのはもちろん、
「ここまでとは思わなかった。」とか、
「車がまるで変わってしまった。」とか、大変喜ばれる場面が多い。
これは手前味噌でもオーバーでもなく、
本当に施工後のキレイさに驚かれるお客様が多い。
ならば、喜んでいただいたお客様に
その喜びを、ぜひご家族とかお知り合いに
ご紹介をいただければと思い、
「ご紹介カード」なるものを作って、
施工後のお客様に配ったことがある。
しかし、そのご紹介カードを持ってこられた新規のお客様はほとんどなかった。
つまり、この「ご紹介カード」の企画は失敗したのだった。
あれ以来、
ご紹介をいただくための企画を考えなかったのだが、
先日、不意に、あの企画が失敗した理由に気がついた。
あの時の「ご紹介カード」の企画とは、
ご紹介カードに紹介する人のお名前とカードナンバーを書き入れておいて、
そのカードでご紹介された新規のお客様が来られたら、
その新規のお客様がお買い上げになった金額の15%くらいを値引きし、
紹介していただいた方にも洗車サービスをさせていただくと言うものだった。
この企画、紹介したお客様にも、紹介されたお客様にも、
両方ともに値引き特典が付くのだから、これは喜んでいただけるのではないか。
そう思ったが、結果は散々であったのだ。
今考えると失敗したはずだったことに気がつく。
もし、私が、たとえばキーパーラボでコーティングを施工し、
キレイになって喜んでいたとする。
そしてスタッフが、私に言った。
「お気に召していただき、大変ありがとうございます。
よろしかったら、ぜひお知り合いの方にこのキレイさをご紹介ください。
こちらの“ご紹介カード”という割引券をお渡ししますので、
お客様のお名前をご記入の上、お知り合いの方にお渡しください。
紹介された新しいお客様には15%引きで全商品を割引させていただきます。
加えて、お客様にも“お礼の洗車サービス”をさせていただきます。」
そう言われて、カードをもらったとしても
私は私の知り合いに「この店いいよ。」と紹介カードを渡しただろうか。
まず、
私はこう思うだろう。
「俺の車はコーティングしてすっごいキレイになって嬉しいんだけど、
俺のコーティングの値段は100%のままで、
俺が紹介した客は15%引きで売るのかい。なんか損したような気がするな。」
それでも、
私の友達にこの券を上げようかと思った時、
「この券をやって、友達の車が15%引きですっごくキレイになれば喜ぶだろう。
だけど、新しい客を紹介すると”洗車をサービス”すると券に書いてあるので、
俺がタダ洗車がして欲しいから、紹介したように思われるのはいやだな。」
ここでの”私”と称する人物が多少ヒネクレなのかもしれないが、
しかし多くの人がこう思ったとしても不思議ではない。
私が今買った商品、この場合はクリスタルキーパーだとする。
これを施工してもらって、本気で喜んだ。
だから「ぜひ紹介を」と言われれば、
私は喜んで紹介しただろう。
私の紹介した友達が、私と同じ喜びを感じてくれたら、私も嬉しいからだ。
そして、
「お紹介いただいたご家族かご友人にこのカードをお渡しください。
・・・・様からのご紹介と言うことで、きちんとお迎えしたいと思います。」
とか、
あるいは、
「お紹介いただいたお客様にこのカードをお持ちいただいて下さい。
・・・・様からのご紹介と言うことで、きちんとお迎えし、
ほんのつまらないものですがプレゼントをお渡し致します。」
このへんまでならば、
前述のように
「紹介した私は値引きにならないの?」などとは思わない。
「紹介しても恥はかかないだろうな。」と思うだけか。
その上で
「紹介した私には何かいいことないの?」とか聞かれたら、
「精一杯ご紹介いただいた方を大切にして、お客様に感謝します。」
なんて言ったら怒る人はいるだろうか。
いるかもしれないが、私だったら納得してしまうだろう。
車をキレイにすること、特にコーティングなどで特別キレイにすることは
車を「使う」ことに関して特に「必要」なことではない。
お客様はご自分の大切にしているお車を「キレイにしたい」と「思う」だけのことで、
お客様の「必要」ではなく「欲求」にお応えするビジネスである。
我々のビジネスは、
必要不可欠な物を販売しているのではなく、
お客様に「キレイ」という形のない価値を提供し、
満足していただく純然たるサービス業だ。
自分の「満足」という「気持ち」が“動機”で、
家族や、知人など新しい人を「紹介」しようと思うならば、
それは「気持ち」の問題であって、
私達が作った「ご紹介カード」は、
値引きとか無料洗車などの「実利」的なことを提供していて、
かえってその「気持ち」を踏みにじっていたのかもしれない。
もっとよく考え、みんなとも議論をしなければならないが、
前回企画した「ご紹介カード」がうまく行かなかったのは、
こんなところに問題があったのかもしれない。
仙台からの長い新幹線の中で色々考えた。
きのう名古屋から仙台に飛び、
今日、帰りの飛行機がまだ都合の時間になかったために、
仙台から名古屋まで新幹線に乗って帰るのだが、
今日は金曜日。しかも仙台には復興のための人がいっぱい入っていて、
金曜日の夕方の新幹線の窓口は、
仙台からどこかへ新幹線で帰る人で長蛇の列であった。
切符を買うだけで40分くらいかかり、おまけに
仙台⇒東京を1時間40分と少しで結ぶ「はやて」は終電まですべて満席で、
なんと
仙台18:05発⇒東京20:44分の2時間39分もかかる「やまびこ」で東京に出て、
東京21:00発⇒名古屋22:44分の「のぞみ」に乗っている。
仙台駅には17:15くらいに到着したので、
そこから数えれば22時44分-17時15分=5時間29分の移動となる。
これはたまりません。
早く仙台空港が復旧して、
ぜひ片道1時間の飛行機での仙台⇔名古屋出張が出来るといいなと思う。
でも、仙台は元気でした。