谷 好通コラム

2011年06月11日(土曜日)

2805.夏、巡航高度に届く前の揺れ

中部空港から札幌千歳空港へ跳ぶ飛行機の中。
ジェット機の国内便の巡航高度は約10,000m前後と決まっている。

 

一方、超長距離の国際便では、
大量に燃料を積むので、
燃料残量が多い内は空気の濃い低い高度を飛んで揚力を稼がなければならないが、
航路が進んで燃料が少なくなり機体が軽くなると、
空気の薄い高い高度に上がっても十分な揚力が得られ、
しかも、空気が薄いほうが空気抵抗が少ないので、
飛行機はどんどん高度を上げる。
飛び上がった最初のころは9,000m台の高度で飛び、
航路の半分を飛んで到着地にあと5,000kmが切れるころになると、
知らぬまに13,000m位まで高度を上げている。
これを「クライムアップ」と言うそうだ。

 

1万キロを越す超長距離飛行の途中で、身軽になった飛行機が、
大空の10,000mを越して、また一段と高いところへ昇っていく姿を想像すると、
わくわくしてきて意味も無く目頭が熱くなる。

 

国内線はそんなクライムアップはしない。
元々燃料を多くは積んでいないので
まっすぐ10,000mまで上がり、そのまま巡航高度とする。

 

夏になってくると、
だんだんと真上から照らす太陽に地上が暖められ、
上昇気流が発生しやすくなり積乱雲が10,000m上空まで延びてきていて
飛行機が10,000mの巡航高度に昇り詰める直前に、
雲のてっぺんをかすめて大きく揺れる。
とCAさんが
「ただいま気流の乱れたところを通過して大きく揺れています。
飛行機が大きく揺れても、飛行には影響がありませんのでご安心ください。」
夏になってくるといつものことだ。

 

今年の夏は暑いのだろうか。

 

暑くなってくると、ただでさえ忘れ物の多い私のぼんくら頭は
また家にカメラの充電器を忘れてきてしまった。
一昨日、関東のキーパーラボを巡回中に、
最後の上溝店で電池が無くなって内田店長たちを撮れず、
充電器を家に置いて来てしまったことを気が付いていたのに、
また、そのまま家に置きっぱなしだ。

 

せっかく6月の北海道は新緑と花がいっぱいの一番きれいな時期というのに
電池切れのカメラでは一枚も写真が撮れない。
と言っても、
のんびりと花の写真を撮っているような時間が私にある訳も無いが。

 

さぁ、お仕事、お仕事。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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