谷 好通コラム

2011年06月02日(木曜日)

2797.5月29日(日)長距離の飛行機に乗ること

★ドイツから先ほど帰ってきました。
スウェーデン、ドイツといずれのホテルもインターネット接続の設備がなく、
メールの送受信もままならなく、
5日間にわたってブログをアップできなかったのは残念でした。
5日間書き溜めたものを、順番に少しずつアップしていきます。

 

 

5月29日(日)

 

中部空港を朝10時30分に飛び立って、
ドイツ・フランクフルト空港に到着するのは、ドイツ現地時間の15時05分。
単純に引けば4時間35分になるが、
しかし、日本から西の方向に飛ぶと言うことは
地球の自転と同じ方向に飛ぶことになって時間をさかのぼることになるので、
サマータイムのドイツ時間との時差は7時間ある。
だからドイツ時間の15時05分と言うことは、
日本時間では15時05分+7時間=22時05分となる。
だから、
日本・中部空港⇒ドイツ・フランクフルト空港へは
22時05分-10時30分=11時間35分の飛行時間がかかることになる。

 

日本からはニューヨーク行きなどもっと長い時間のフライトもあるが、
11時間35分の飛行は最も長い超長距離飛行の一つと言える。

 

超長距離のフライトで注意すべきこと。
まず絶対にアイルシート、つまり通路側の席を確保することだ。

 

11時間以上の超長距離飛行では、
必ず大きな時差が発生するので機内で眠っておく必要がある。
昼の飛行であろうと、夜の飛行であろうと、とにかく寝る。
時差ボケ対策にはとにかく、寝た者が勝ちなのだ。

 

通路側ではない席に座って困るのは
通路側の人が眠ってしまうと、それをまたいで通路に出るのが困難になることだ。
それでも無理してまたいだりすると
結果的に隣に座っている人を起こしてしまうことになる。
超長距離飛行の飛行機に乗っている人は誰でも
「眠っておかなくては。」と思っているので、
せっかく寝付いた人を起こすのは申し訳なくて、つい、トイレを我慢したりする。

 

11時間以上飛行機に座っていると血行が悪くなる。
そこへ無理してトイレに行くことを我慢したり、
じっと座りっぱなしでいると、
健康上、あまり良くないことが多い。
トイレに行きたくなったら我慢せずに行き、
時には通路に出て軽く運動をすべきであり、それには断然「通路側」の席がいいのだ。

 

超長距離飛行の注意と言っても、
あとは別にない。
出てくるだけの分の飯食って、ひたすら眠るだけである。

 

しかし私は飛行機で眠ることがあまり得意ではない。
ちょっと寝てすぐに目が覚めてしまうので、
時差の調整がうまく行かず、体が慣れるまでに時間がかかるほうだ。
その点、尊敬すべきは、
今回同行している開発課の増田課長で、
超長距離フライトであろうと、国内線であろうと、
「飛行機に乗っている間は、4分の3は必ず寝ています。」と豪語していた。
増田君いわく
「私は、自分の鈍感力には絶対の自信あります。」と言っていたが、
彼の「たくましさ」を「鈍感力」と呼ぶのならば、
たしかにそうだろう。
彼のたくましさ、鈍感力はすごい。
どんな環境でも、”寝る”力を持っているだけでなく、
どんな人に対しても、決して被害者的にならず、
限りなくポジティブに物事を考えていける逞しさがある。
こういう人が、会社の将来をたくましくしてくれるのだろう。

 

超長距離飛行のフライトは、純粋に仕事的に考えれば、
とにかく寝るのが勝ちなのである。
しかし、
寝ているだけじゃ面白くない。
寝るべきなのだが、それではちっとも面白くない。

 

超長距離飛行は、飛ぶ距離が長い分、
眼下にはものすごくたくさんの風景が見えるのだ。
今回のドイツ・フランクフルト行きでは、
中部空港を飛び立ってからまっすぐ北上し、
北海道の西側を抜けたぐらいから進路を西に切り、やがてロシアの海岸に入る。
ロシアに上陸してしばらくするとハバロフスクの上を通過して、
延々と続くシベリアを西に飛ぶ。
単にシベリアと言っても、その地上は変化に富んでいて、
10,000m上空からの景色はなんとも不思議な変化を見せる。

 

初めてドイツに行ったのはたぶん10年くらい前のことだった。
今日と同じルフトハンザ機でフランクフルトに飛んだ時、
初めて見たシベリアの不思議な地形が次々と見えて、
夢中になってずっと窓の下を見続けた。
一睡もせず、
寝ている他の人の迷惑にならないように、
毛布を頭から被って窓から光が入らないようにして、
シベリアから北欧にかけての不思議な地形を眺め続けた。
あの時の感動は今でも忘れない。

 

当然、外の景色を眺めようとするなら「窓側」に席を取らなくてはならない。
特に飛行機が空いている時なら絶対「窓側」を取るべきである。
好奇心のない男なんて、
キンタマが無くなったようなもので、つまらない。

 

便宜性と時差に体を慣らすために寝ることを優先するか、
好奇心に揺り動かされながら窓から外を眺めるか、
どちらにしても目的地には着く。
どちらでもイイと言えば、どちらでもイイ。

 

席が混んでいるようなら「通路側」。
席が空いているようなら「窓側」。

 

しかしこの話、ずいぶんツマラナイ結論で終わってしまった。

 

 

中部空港からルフトハンザ機に乗り込む
意外にもドイツ人は少なかった。

 

 

飛び立って約1時間半後に日本海からロシアに上陸する。

 

 

この日はほとんど雲が覆っていて、しばらくの間、雲ばかりで窓側に座った甲斐がなかった。。

 

 

数時間後、やっと雲の切れ間があって、シベリアの雪山が見え始める。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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