谷 好通コラム

2011年04月13日(水曜日)

2763.富士山・富士山・・・希望

今日、札幌から変える飛行機は、
いつもの航路よりもうんと北を飛んだ。
福島第一原発を出来るだけ避けて飛んでいるのだそうだ。
ANAのC.A.さんが言っていた。

 

この飛行機のように、
今、世界中が日本を避けているのかもしれない。

 

放射性物質の総排出量が国際評価尺度(INES)【レベル7】に暫定的になった。
【レベル7】と言えばチェルノブイリと同じであるが、
福島の事故はチェルノブイリのそれとは根本的に違う。
チェルノブイリは原子炉が爆発して
10日以上も黒鉛が燃え続けて放射性物質を大気圏外にまで飛散させ、
短期間に世界中を汚染した。
とりわけヨーロッパへの汚染は深刻になった。
福島第一原発の事故は、原子炉自体は爆発していないし
まだ、限定された地域の汚染で済んでいる。総量もまだ1/10以下。
福島第一原発事故とチェルノブイリの原発事故は、その根本的な意味で違う。

 

しかし、しかし、同じレベル7であり、
事態はあまりにも重大である。
歴史的に最大級の重大さであることには違いない。
しかも、いまだに放射能が漏れ続けているのが現状であり、
世界の不安と恐怖は容易に想像できる。

 

このままでは日本が世界の中で孤立することを
我々は真摯に受け止める必要があるだろう。

 

世界に対しては本当に申し訳ないと思う。
自国の被災地と被災者は悲惨の極みであるが、
私たちは悲しむばかりではなく、
日本が世界中から”避けられる存在”になっては絶対にいけないと思った。
それも被災者に対する応援に欠かせないことだと思った。

 

 

飛行機が松本市あたりでいつものコースに戻った時、
富士山が遠くに、しかしくっきりと見えた。
広がるもやの上にポツンと浮いた富士山が、希望に見えた。

 

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