自慢ではないが、我がスケジュールの過密ぶりは半端ではない。
かなり先まで自ら予定を入れて、その合間に通常の予定をはめ込んでいくので
かなりぎっしり状態、だった。

それが3月11日東北沖大地震の影響がどんどん拡大するにつれて、
どんどん予定が消えて行き、昨日の時点でとうとう今週はもちろん、
今月中の予定がほぼ無くなった。
それだけ皆さんが今回の災害の対処に切迫していると言うことなのか。

仙台のスタッフから連絡が徐々に入ってきている。
電気が無いことで、何もかにもが不便なっているようだ。
暖房も、通信も、交通も、物流も、
あらゆる分野のどこかに電気を必要とする部分があり、
電気なくしては何も出来ない。

都会であればあるだけ余計にそうだろう。
計画停電によって、昨日、新小岩から東京駅間を車で走った鈴置君が、
真っ暗な東京を初めて見て、ものすごく不安を感じたそうだ。

その電気の元である発電所で今、危機的状況の中、たくさんの人が戦っている。
電力確保の危機というレベルではない。もっともっと高次元の危機なのだ。

今、私達がやるべきことは、
無駄な混乱を起こさないように、まず、冷静であること。
インターネットが発達した現代において、
情報があふれかえり、デマが急速に広がる土壌がある。
誰が、どんな目的であれ、無制限に、無責任に情報を発信できる時代になって、
容易に大きなパニックに陥るような状況が出来上がってしまっている。

こんな時にこそ、一人一人が冷静に速やかな対応が必要だ。

チェーンメールが広がっているようだ。
悪意で広げている人もあって、これが混乱に火をつけなければいいがと心配だ。
どんなに信頼のおける人からのメールでも、それがチェーンメールならば、
受け取った人のところで止めなければならない。
どんなに信用できる人であっても、
その人本人が言っていることではなく、
誰かが言っていることを伝えているものならば、
その内容が、広く伝えるべきことなのかどうか自分には判断しようがないのだから、
また、ほかの人に伝えることをしてはいけないと思う。
ひょっとして万が一でも、自分がパニックの引き金に加担しかねないから。

社会が大混乱する恐れがあるような時、
ヒステリックなパニックが起きることが最も恐ろしいことだ。

しかし、いる場所が遠く離れれば離れるほど
切羽詰った危機感は感じられなくなる。
私も地震当日は広島にいたので、大惨事が起きている実感がまったく無かった。
我が本社がある愛知県においても、
世間の様子は普段とまったく変わらない風景だ。
事務所スタッフは、普段どおり仕事をしているし、
本社の目の前のスタンドもいつものようにガランとしている。
東北により近い関東では、
ガソリンを求めてSSに長蛇の列が出来ているとは信じられない。

東北での大惨事と、危機が切迫していることはテレビの画面の中のことであって、
愛知まで来ると、そこにはまったく平和な生活が変わらずある。
それは西に行けば行くほどそうで、
中部、関西、中国、四国、九州からは、
洗車・コーティングの販売促進企画について、いつものように注文が来ている。
これはすごくいいことだと思う。

この災害を実感として持たない遠く離れた人たちの健全な経済活動が、
被災された地方の方々の今後の復興を支えていくのだ。
被災された人のことを思うと心が痛んでも、
感傷的になっているばかりでは、何にもならない。
被災地においてもすでに復興に向け、力強く歩み始めている人もいるのだ。
そんな人たちを支えていくのは、
被災地とは離れた人々の健全かつ旺盛な経済活動に違いない。

被災地に遠く離れた私達が一番すべき事は、一生懸命働くことではないか。
被災地に対する支援、救援はもちろんすべき事、
やらなくてはならないことは「節電」。
その上で、私達が一番すべきは、感傷的になっていることではなく、
普段の生活の一部として一生懸命働いて、
多くの被災者を持った日本の経済を、力強く支えることではないかと思う。

一生懸命、働こう。そう思う。