谷 好通コラム

2011年03月10日(木曜日)

2738.「美容室LAPIS」とキーパープロシッョプ

「LAPIS」とはどういう意味なのか聞くのを忘れてしまったので、
Web辞書で引いたらフランス語で「石」、イタリア語では「鉛筆」と出た。
美容院はフランス語で書かれる場合が多いので、
LAPISとは「石」という意味だろう。

 

静岡県浜松市の美容室である。
オーナーである谷川さんとは約三年前にお会いしてからのお付き合いで、
谷川さんが経営し店長として活躍する美容室が、
昨年12月、キーパープロショップを併設した形で新規オープンした。
「美容室LAPIS」あるいは「DURL SALON LAPIS」

 

「美容室」と「キーパープロショップ」のコラボレーション店舗とは、
どうして造られたのか、どういう意味なのか、
三ヶ月経過した現在うまく行っているのか、などなど
店舗を訪問して谷川さんに色々とお話を伺って取材をした。

 

 

谷川さんは、元々、この新しい店のすぐ近くで「美容室」をやっていた。
三年ほど前に、その頃の店を訪問させていただいたことがあるが、
以前の店は、
とても小さな店で、
今流行りのガラス張りで出来た現代風の美容室ではなく、
昔からある町のパーマ屋さん規模の店舗であった。
名前は「サロン ド ラピス」とあった。
あの規模なら家賃は数万円か。(勝手な推測です)

 

あとで聞いて驚いたのだが、
その小さな美容室でなかなかの収益を上げていたらしい。
谷川さんプラス助手1名あるいは2名で、
キーパーラボの小型店くらいの売り上げはあった。

 

「サロン ド ラピス」には、常時300~400人の固定のファンが着いている。
その固定客が平均何ヶ月かに一度来店し、
特筆すべきは平均単価で、クリスタルキーパーのSSサイズ並みだ。
その秘密の一つは谷川さん独特の「くせ毛」をストレートにする技術にあった。

 

くせ毛をストレートにする薬剤で業務用として販売されているものは、
ハード・ミドル・ソフトの三種類くらいで、
強いくせ毛を直すハードな薬剤は髪質をいためる恐れが大きく、
髪質を大切にするソフトな薬剤では効果が少なく、ミドルはその中間だ。

 

一概にくせ毛といっても、“くせ”が強いか弱いかだけではなく、
その人によって髪質もそれぞれで、
この三種類の薬剤だけではとてもすべてをカバーできない。
そこで研究熱心な谷川さんは、色々なメーカーの薬剤を使い分け、
あるいは調整して、独自のレパートリーを造り上げ、
あらゆるくせ毛を持った人に対して、その髪質に合わせ、
しかも効果が長く続く処方を、あらゆる人に対して適切に行なったそうだ。

 

くせ毛に悩み、ストレートパーマをかけても直ぐに戻ったりして困っていた人が、
谷川さんのその技術によって救われ、その口コミによる評判が評判を呼んだのが、
多くの固定客を得ていた一つの要因であったそうだ。

 

多くの固定客を得ていたもう一つの、もっと大きな要因は、
「お客様の要望をトコトン聞いて、それをプロの技術で実現すること」だそうだ。
驚くことに、これはキーパーラボやプロシッョプの考え方と一緒であった。

 

また谷川さんは
「プロとは素人に出来ない事をどれだけたくさん実現できるか」だという。
お客様がご自分の髪をどのようにしたいのか、
それによって、ご自分をどのように表現したいのか、
それをトコトン聞いて、美容室のメニューに無い技術まで発揮して、
お客様の要望を実現し潜在的な願望までを実現する。
お客様はご自分の要望を、ご自分の「言葉」として表現できない場合が多い。
そこを汲み取って、プロが出来る技術で実現する。
これは本当に難しいことで、訓練で出来ることではない。
自分の気持ちを、お客様の気持ちとシンクロさせられる「共感性」というものは、
その人の持っている天性の部分が大きい。
それが実現できてこそ、プロとしての技術が活きるのであろう。

 

谷川さんが具体的におっしゃる話とお値段を総合すると、
谷川さんの仕事はアワーレート2万円以上になる。
大したものだと感心する。

 

 

そんな谷川さんが、
洗車・コーティングのビジネスとコラボレーションしようと思ったきっかけは、
10年以上さかのぼらなければならない。

 

谷川さんがまだご自分の店を持たれる前は、
九州・熊本市内の美容室に美容スタッフとしてお勤めしていた。
片側3車線の大通りに面したビルの何階かにあったその美容室から
通りの向かい側にあったガソリンスタンドを見ていたら、
自分のお客様がガソリンスタンドに車を置いて、
ぐるっと信号を回って歩き、通りの信号を渡って自分の美容室に来られた。
そのお客様(女性)にお聞きしたら、
「ガソリンスタンドで車を洗ってもらっている。」と言う。
髪をきちんとキレイにしてもらうのだから、
ついでに車もキレイにしたいと思ったのだそうだ。

 

それから、他の何人かのお客様にも聞いたら、
同じようなことをおっしゃって、向かいのガソリンスタンドに車を置いてきたと言う。

 

そのことがあとまで非常に印象に残っていて、
それから何年か後、ご自分が、浜松市内でご自分の美容室を持った時、
店の駐車場に簡単なテントを張り、
アルバイトを雇って洗車をサービスした。
これがお客様に非常に好評であった。
その頃、何かの拍子に「キーパーコーティング」をお知りになって、
ただ単に洗車をサービスするだけでなく、
サービスプラス有料でキーパーコーティングを実施したところ、
これも非常に好評で、それなりの収益になった。

 

「美容室と洗車・コーティングは、やはりすごく相性がいい」と
ますます確信を持った谷川さんは、
もっと広い場所で新しい美容室を開いて、
もっと本格的に美容室と洗車・コーティングのコラボをやりたいと思った。
それで、アイ・タック技研㈱の本社に来られて、
このコラボのお話を聞き、面白い試みとして協力させていただくこととした。

 

あれから三年近く、色々な物件が候補に挙がっては立ち消えになって、
ようやく希望に沿った物件が現れ、そこで本格的なコラボ店舗が造られた。

 

もともとの物件は小さな家内工業のような「工場」と「倉庫」。
これを谷川さんと懇意の工務店が共同でこんな店に変身させた。
真っ白に建物を塗り、倉庫部分をコーティングブースとし、
工場部分を美容室にしてある。
センスのいい看板と相まって、まるでテレビ番組の「ビフォア、アフター」のようだ。

 

 

左の部分が洗車場。
L字の角の部分が美容室。
右がコーティングブース。

 

 

美容室は、清潔そのもので、
私にはいかにも場違いであるようで照れくさかった。

 

 

待合室からコーティングブースの様子が見られます。

 

 

肝心なコラボ事業の成否はどうか。
評価は別れるかもしれないが、私は順調な滑り出しと思った。

 

一年の中でも最も非需要期と言える二月において、
114台の洗車と、9台のクリスタルキーパー、8台のピュアキーパー、
それにプラス室内清掃などのアラカルト。

 

まず、美容室のカットやセット、染髪などのサービスに、
快速洗車、快速室内清掃(オリジナル)が格安になるようなセットを組み、
それにプラス有料でピュアキーパーやクリスタルキーパーが施工される。
だから、美容室と料金的にオーバーラップする部分を加えると、
なかなか立派な実績となる。

 

美容室に来られたお客様(ほぼ女性)のほとんどすべてが洗車を受け、
何らかのプラスのサービスを受けられたと言う。
また、まれにお断りになられたお客様にその訳を聞くと、
「私の車の洗車は、主人の楽しみなので・・」と言われるそうで、ほほえましい。

 

また、飛び込みで洗車・コーティングだけで来店された方、
インターネットで調べられて来られた方など、
KeePerプロシッョプ単独のお客様も増えているそうだ。

 

今の実績が二月であること。
オープンして間もないこと、
チラシなどの宣伝広告行為がまったくされていないこと、
そんなことを換算すると、
このキーパープロショップコラボ美容室が、
来年の需要期には驚くべき実績を上げてくるような予感がした。

 

 

洗車・コーティング担当の若い彼ら、
ヘアーが決まっているのは、美容室コラボならば当然か。
すごく感じのよい若者たち。

 

 

このカラーバランスはさわやかでいいですね。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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