谷 好通コラム

2019年11月03日(日曜日)

11.03.第8戦(もてぎ)に優勝するも、2019チャンピオンならず

2019年スーパーGTの最終・第8戦が、
茨城県の「ツインリンクもてぎ」において開かれました。
我が#37KeePer TOM‘S LC500は、
それまでの7戦中優勝はないが、3回の表彰台で、
実は、チャンピオンに輝いた2017年のペースを上回るペースであった。
しかしシリーズのチャンピオンシップは15台中2位で、
トップの#6には7ポイントの差を開かれていた。

 

そして昨日の予選で#37は4位、
チャンピオンシップにおいての敵である#6は予選2位であった。
ちなみにポールポジションは僚友の#36 au TOM‘S LC500
3位は#23 MOTUL GTRであった。
今日の「もてぎ」は晴れ。文句なしの晴れ。
シーズンポイントの7ポイント差は、
このレースで#37が優勝して、#6が3位ならば逆転となるが、
予選で#37が4位、#6が2位では絶望的かというとそうでもない。

 

#37には、
スタート時のまだ冷えたタイヤがやたらに得意なニック・キャシディがいる。
4位からスタートのニックが、
スタート直後に前の2台を抜くと言う場面は今年も何度かあった。
とすると、先頭を行く我が僚友#36を
#37が勢いに乗ってトップを奪うことは当然であり、
その後、後ろから食い下がって来るであろう#6は、
#36に行く手を遮られて3位から上がって来れないと言うドラマで、
めでたく#37が第8戦優勝と共に、
2019年シリーズチャンピオンに輝く、
はずだった。

 

 

決勝スタートは午後1時半。
いつものスタートのようにニックの#37が速いが、
前を行く#23と#6をなかなか抜くことが出来ない。
なかなか空想のドラマ通りには行かないかな、
と思っていたら、
5周目ぐらいに、#37ニックは見事に前の2台を抜いて、
見事2位に躍り出た。
それからと#36,#37が1.2で周回を重ねる。
ピットの中は大歓声で大騒ぎだ。

 

そしてこのレースは、全53周の短いレースであり、
TOM‘Sの2台は19周目と20周目の最も早い周回でピットインをして、
しかも、2台のピットストップはピッタリ同じ最短の時間で済ませ、
残り33・34周を、#37は平川亮、#36は関口夕飛選手に委ねられた。
両方ともかなり長い周回を走るので、
タイヤマネージメントに徹して、あまりタイムの上がらないペースでこなす。
そのうちに、
#36関口選手が前を行く300クラスをパスするのに手間取っている隙に、
#37平川選手が#36をパスしてトップに出た。
#6は3位で追ってくる。
まるで、レース前に思い描いた通りのドラマの再現だ。

 

しかし#6は、
今が旬の若い山下健太選手に変わっていて、
速い山下選手は#37.#36の2台より約1秒速いペースで追ってくる。
2位の#36関口選手は抜かれまいと必死でガードしながら走るが、
そのせいでタイム的にはかえって遅くなって、
その間に我が#37は前を行って4秒差まで稼いだが、
関口選手と山下健太選手の激しいバトルは、
最終コーナーでのきわどいアクシデントでケリがつき、
#6は2位に躍り出て#37を追う形になった。
しかし#37はタイヤマネージメントに徹した走りをしてきていたので、
#6の追撃があっても、ペースをちょっとアップして、その差をむしろ開き、
余裕を持ってトップを維持して優勝、20ポイントを獲得したのでした。
しかし、結局#6は2位でゴールして15ポイントを獲得。
我が#37は戦前の7ポイント差を2ポイント縮められず
今期初の優勝にもかかわらず、
僅差で、
今年のシリーズドライバーチャンピオンを逃してしまったのです。

 

残念です。
TOM‘Sの創業者である舘さんの口ぐせ「2位以下はドベと一緒だ。」
とは、本当にあらゆる点で言えることで、
ここまで来ての2019年チャンピオンを逃したことは、
今年スーパーフォーミュラでチャンピオンになっているニックキャシディは、
二冠チャンピオンを逃したことにもなり、
今年、長男が誕生した平川選手には
初の子供への大きなプレゼントを逃したことになり、
極めて残念な結果となったのでした。

 

PHOTO by Yoshifumi Nakamura

PHOTO by Yoshifumi Nakamura

PHOTO by Yoshifumi Nakamura

PHOTO by Yoshifumi Nakamura

 

今年初の優勝も、チャンピオンを僅差で逃した悔しさで嬉しさもいまいちの表情です。

 

PHOTO by Yoshifumi Nakamura

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    代表取締役会長兼CEO

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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