2011年02月14日(月曜日)
2721.TVCM<何億円でも契約書なしの世界
今日の夜、
4月からのテレビCMについての会議がある。
4月のテレビ番組編成の内容を広告代理店からお聞きして、
みんなでいっぱい話し合い
どの番組を提供するのかを決定する。
毎回毎回、この会議ではみんなが悩む。
視聴率の高い人気番組では一ヶ月間で4回~5回の30秒CMを流すだけで、
マンションが一軒買える位のお金が要るので、とても手が届かない。
新番組は比較的安いのだが、
まだ制作予定の段階で、
どんな内容にするのか意図は分かっていても、
実際にどんな番組になるか、これからどれほどの視聴率が取れるのか、
まったく未知数なので、博打的な要素がある。
たとえば、
三年前に始まった「秘密のケンミンSHOW」という人気番組は、
企画の段階で見た時は「すぐネタ切れになって、寿命が短いだろう。」と、
たかをくくったが、放映後にすごい人気番組になった。
最初はずいぶん安かった提供料が、
今ではとても手が出ないくらい高くなってしまっている。
最初の段階で提供を始めていれば、ずいぶんお買い得な番組だったのに、
もう、あとの祭りだ。
番組の内容も、ただのお笑い番組では、
キーパーの真面目なイメージにそぐわないし、
出来れば、ブランドイメージを高めてくれるような内容で、
出来ればゴールデンタイム、
あるいはそれに近い時間帯に放映されて欲しい。
しかし欲張れば欲張るほど、提供の値段は跳ね上がっていく。
そしてもう一つの問題は、
どこのキーステーションを選んでも日本国中全県には放映されないことだ。
たとえば、以前に放映した「ガイヤの夜明け」「カンブリア宮殿」の
「TX東京テレビ系列」ならば
関東、中京、関西、福岡だけのネットワークであり、
「やべっちFCサッカー日本応援団」の
「テレビ朝日系列」ならば、
ほぼ日本全国に放映されるが、沖縄と九州の一部の県、徳島県には放映されない。
昨年の「くらべるくらべらー」の
TBS系列では29局ネットワークで
一番範囲が広いが、秋田県だけが放映されない。
どこかを犠牲にしないといけないので、いつも断腸の思いの決断となる。
非常に少ない限られた予算で、
日本国中のキーパープロショップをはじめキーパーを施工されている方々に
有効な支援を企画して行こうと思うには、
精一杯工夫して、選びに選んで、頭を悩ませながら決める。
番組の提供。CMの放映は大変高い費用がかかるもので、
私達のように非常に少ない予算でやろうとするのは、
ある意味、非常識なのかもしれない。
しかしテレビCMは高いだけあって、
世の中の人の認知度が急速に上がるのは確かだ。
それが、キーパーコーティング、
とりわけクリスタルキーパーを施工している皆さんに大きな力になるならば、
やり続けるべきだろう。そう思って今年もやる。
CMは、短期(1ヶ月程度)で集中的に投下する方が認知を取りやすく、
費用対効果が高いというのが一つの常識だ。
しかしそれは「物販」として「物としての商品」の宣伝には効果的であって、
キーパーコーティングのように形のないサービス商品の場合では、
1週間ごとに間をおいて、
年単位の長い時間をかけて
じっくりと認知を広げていくのが効果的なようだ。
それは、二年半前に行なった中部地方での集中投下の実験で学んだ。
今年はどんな番組を提供するのか、
また悩みに悩む時期がやってきた。
ところで、
テレビCMの世界では面白い習慣がある。
「契約書」がないのだ。
CMを一番組み提供すると、いずれにしても月にかなりの金額の費用になる。
テレビ番組は3ヶ月を1クールとして、
2クール分、つまり6か月分を一括で契約するのが一つのルールになっている。
すると、
もちろん何百万円の単位ではなく、
何千万円、ひょっとすると何億円単位での契約になるのだが、
「契約書」なるものがないのだ。
名実ともに「口約束」で契約して、
CMが流れたら口約束どおりの「請求書」が来て、口約束どおり振り込むだけ。
その約束をやぶったら、TV業界全体がその会社のCMは二度と流さない。
つまり「追放」され「村八分」とか「しかとされる」のだという。
非常に原始的といえば原始的であるが、
どうしてTV業界がそういう風習であるのかは、私は知らない。
TVCMとは、流れてしまえば、
後に物しては何も残らない儚いものだから、
(人べんに夢と書いてハカナイと読む。なんちゃって)
契約書なんて書いたって仕方ないという意味なのだろうか。
いずれにしても、
テレビの世界とは、巨額のお金が動くのに、
口約束で成り立っている摩訶不思議な世界なのである。
窓の外を見たら、こんなに雪が降ってきた。
雪は私達のビジネスにとって大きなマイナスだ。
キーパーラボも今日は全滅状態だろう。
日本国中のSSさん達も、今日は手も足も出ないでいるかもしれない。
こんな日に、
私達にとって巨額な金額がかかり、
テレビで流れてしまえば、物として何も残らないCMの話をするのは、
いささか、つ・ら・い。
今日の午後から
何人かの営業職の募集面接があったのだが、
相変わらず「だんまり」で面接をすっぽかすバカ者がいて、
時間が1時間空いてしまったので、ふと、こんなことを書いたのでした。