9月、10月、11月ととんでもなく過密なスケジュールが続きそうである。
それでも昨日、上海でのシロッコRレースに出場する決意をしたのは、
この時期の過密なスケジュールを、
自らにやってきた二度とないチャンスを放棄する理由にしたくなかったからだ。
しかし、その決意も、二転三転して、
今日の朝、出場辞退の連絡を事務局に直接した。
事務局の方が、
「わかりました。では次の候補者の選考に入ります。」とおっしゃっていたので、
私が、上海のシロッコRレースに出場することはもうなくなった。

ここに至って断念したのは、
スケジュールの都合のほかにもう一つ解決できない問題が出てきたからだ。
いずれにしても、一度やろうと決意したことを覆すのは、
自分の中にあるエネルギーが抜けていくような空しさがある。

しゃくだから、
スケジュールが空けやすい土日に上海蟹だけでも食べに行くかと、
空吼えしてみるが、どうでもいいようなことだ。

どうもここ数年、
やろうと決めたことを中断したりキャンセルすることが増えてきた。
それは、昔と比べて事情が複雑になってきていたり、
体力的な要素を加えざる得なくなってきているからだろうが、
目指すところに少しずつ近づきつつあって、
標高が高くなると酸素が薄くなってくるのと同じように、
思うように体に意志が反映せず動かなくなってきたのかもしれない。
登山で言うところの「胸突き八丁」に差し掛かっているのか。

ここまでくれば、十分に景色もいいし、
ここで引き返しても、山に登ったという実感は十分に得られたはずだ。

あるいは、このまま登り続けても何処に目指す山頂があるのかわからない。

五合目から見た富士山の頂上は、まるで手が届くほどの所にあるように見える。
目指すところがもうちょっとで果たせるような気になっているのは、
そんな錯覚と同じようなものではないだろうか。

今日もまた東京に向かう新幹線に乗っている。
もう九月になったというのに、
今年になってからくっきり見える富士山を一度も見ていない。

夕方、久しぶりに東京トレーニングセンターに来た。
パソコンのメールを送受信したら、
石川君に二人目の子供が産まれたとのメールが入る。自分のことのように嬉しい。