2009年11月27日(金曜日)
2362.いっぱいの幸運を仕入れた
朝、東京に向かっている。
予定では昨日の夕方東京に行って、
夜、たぶん素晴らしかっただろうコンサートに行くはずであった。
「カンブリア宮殿」を提供しているので、
そこに出演した人やスポンサーを招待したコンサートで、
キューバ最高のバンドと最高の歌手が出演すると招待状に書いてあった。
チケットが二枚、たぶん良い席であったのだろう。
席の裏には社交の場となるコーナーもあって
たぶん有名な方もいっぱい来ていて、
そういう方たちとお知り合いになるものすごくいいチャンスであったろうし、
経営者として絶対に欠かさざるべき機会であったのだろうと思う。
何人かに一緒に行こうと誘ったのだが、誰ともスケジュールが合わず、
かといって一人で行くのも寂しいので行くのをやめてしまった。
もったいないことだ。
時間的にも無理があったわけではない。
それを、一緒に行く者が誰もいないのを言い訳にして行かなかったのは言語道断である。
と、自分を責めてみるが、言うほどあまり反省していない。
私は会社の経営者とか財界、政界の人たちが集まる会がすごく苦手で、
今までも何回かそのような会に出席したが、
いかにも場違いな感じがした。
話題がまったく合わないのだ。
「どんな仕事なのですか」と聞かれて、
「洗車関係です。」と答えると、
「洗車機を作っているのですか」
「洗剤のメーカーですか?」と必ず聞かれるので、
「それもありますが・・・洗車・コーティングに関わるすべてのことをやっていて・・・」
この会社の事業内容は、普通のジャンルで分けられるような単純ではなく、
たいていの人は「よく分からないな~」という感じになって、
途中で話が終わってしまう。
そうするともう話が続かない。
政治とか経済の話になっても、
私の感覚はどうも庶民感覚そのままなので話が合わない。
株もやっていないし(日航株は別だが)、先物取引もやっていない。
地方の政治の事情も全く知らないし、知っている政治家も一人もいない。
本は読むが、宇宙とか、飛行機とか、生物とか、
そんな本はほとんどの人は読まないから、話が続かない。
社長の勉強の場と言われる高級クラブにもまったく行かないし、
ほとんどの経営者の方がやっているゴルフもまったくやらない。
そういう話になると私は分からないから無言になるしかない。
私の唯一の趣味がカーレースであることを話すと、
「レースではどれくらいのスピードが出るのですか?」とたいていの人に聞かれ、
「富士のストレートでは230kmくらい出ます。」
「へ~、そりゃ怖いですね。」
「いえ、ストレートはスピードが出ても全く怖くないのです。むしろコーナーで・・・」
とここまで話すと、相手の興味は全くなくなっている。
レースに全く興味のない人にレースの話を面白く話す術を私は知らないので、
向こうからすれば「いい年こいて、・・・変なおっさん・・・」なのだろう。
とにかく、話の歯車がなかなか合わないので、
だんだんそういう会とは疎遠になっていって、
地元の実力者とか、政治家とか、立派な会社の経営者の方たちと知り合う機会がない。
こんな悪循環が続いて、
自分でも本当にだめだと思うのだが、仕方がない。
行かなくてはならないな、と思ったのに、行かなかった昨日の反省と言い訳でした。
しかし、こういうことが自分自身の限界であり、
会社の限界を作っていることも知っている。
もっと、社会のトップの人たちとの社交を持てるようにならなくてはならない。
分かっちゃいるが、なかなか出来ない。
何とかしなければと思いながら、
ここまで来てしまった。
あ~~あ、だめだなあ。
今日は「富士山」が久しぶり見えた。
何ヶ月ぶりだろう。
朝、何度も富士山の前を通過したが、そのたびに空が曇っていて、
富士山を幸運の印としている私としては、
だんだん自分から運が離れて行くような気がして寂しかった。
今日の幸運は、
朝の名古屋駅のホームでその兆しがあった。
8:00の新幹線に乗ろうと思って「みどりの窓口」のカウンターに並んだのだが、
(私は身障者割引を使うので自動窓口を使えない)
前にいた何組かが非常に長く時間がかかったので、結局8:10の列車に乗ることになって、
今日はついていないな。と思ったが、
ホームに上がって「喫煙者のいこいの場」である喫煙所に行ったら、
今日東京での打ち合わせで会う予定であった松岡さんがタバコを吸っていたのだ。
同じ列車に乗る。
「ほーっ、ラッキー」
不意打ちを食らったような松岡さんもびっくりしていたが、
こんなラッキーはない。いろんな話が出来た。
これは、今日は、
富士山が見られるかもしれないなと予感したら、
富士川を渡った第1ポイントでは雲で下半分だけしか見えなかったが、
とりあえず少しは見えた。
「でも、この雲のかかり方だと、小田原から見えるかもしれない。」
そう思ったら、案の定、
小田原に入ってからの第3ポイントから
バッチリ白く雪をかぶった富士山の頂が見えたのだ。
これで、今年いっぱいの幸運を仕入れられたかもしれない。
今日は最高の一日になりそうだ。