2009年08月22日(土曜日)
2288.ああ、我が人生の縮図か
今朝ホテルを出る時、昨夜脱いだ靴下の片方がなくて、
10分くらい探したが出てこなかった。
待ち合わせの時間があったので、かなり慌てて探しのたが。
靴下の片方だけ、小さなホテルの一室の一体にどこに行くというのか。
納得いかない。
たかが靴下の片方が探し出せないなんて、納得いかない。
何かのせいにもできないが、自己反省するようなことでもない。
ただ、納得行かないだけである。
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先週の日曜日、富士スピードサーキットでのゴルフGTIカップ戦(10周レース)。
自分自身にどうも納得行かないことがある。
スタートと1周目のラッキーで、8台中6位から4位までジャンプアップして、
意気揚々と、前を走る3位の№72を追って、
レース終盤にはタイヤが厳しくなった№72を追い詰めた。
9周目の最終コーナーから10周目に入るストレートで、
№72のスリップストリーム(前車が起こす後流)に入り、
ストレート半ばでアウトに出て、加速する。
レース巧者の№72の勅使河原選手がすばやくインに寄ったので、
スリップから抜けるのが早すぎたことは確かだったが、
それでも、加速はして、うまく並びかけた。
しかし、ストレートを半ば過ぎてしばらく、1コーナーが見えてきた時、
ジワッとインからアウトに寄っこられ、
でも、自分の車の鼻が届き、1/3ほど並んだ。
しかし、寄ってくる№72に、
つい、びびって、つい、チョンとブレーキペダルに足を乗せてしまった。
一瞬の減速。
一瞬減速した私の№25は、もう№72に追いつくことは出来ない。
完全に前に出られた。
10周目に入るストレートエンドは、前車を抜く最後のチャンスであった。
なぜ、私は、あの瞬間、
せっかく並びかけたのに、
最後の抜くチャンスであったのに、
ひよっとしたら単独レースでは初めての表彰の3位になれたかもしれないのに、
なぜ、あの瞬間、
ブレーキしてしまったのだろう。
納得いかない。
№72の勅使河原選手はアグレッシブであるが、間違いなく紳士である。
危険を伴うような行為は絶対にしない選手だ。
だいいちレースに出てアグレッシブでないドライバーなどいない。
ジワッとアウトに寄せられて、
びびってブレーキした私がへっぽこドライバーなのであり、最低だ。
富士の長いストレートのエンドに近いところでは、
時速210km~230km出ている。
それで第一コーナーに飛び込む寸前にフルブレーキングすると、
荷重がなくなった後のタイヤがグリップを失って、かなり左右に振られる。
それをハンドルで、おっとっととコントロールするのだ。
こう書くと怖そうに思えるかもしれないが、
慣れれば、特に難しい事ではなく、普通のことになる。
しかしあの時、アウトから並び抜く構えにいた№25の私は、
ジワッとアウトに寄ってこられ、びびった。
ひびって一瞬、ブレーキまでしてしまった。
すごいレースなどを見ていると、
ひどくアウトに寄せられても、そのままコース外の芝生に片タイヤを出して、
土煙を上げて走り、それでも譲らない猛者を見るが、
それが重大な事故になったのを見たことはない。
だいいち、GTIカップレースに出ている紳士的かつ経験豊かなドライバーが
そんな場面になるまで、寄せてくるわけがない。
わかっていても、びびってしまった。
抜くぞと決めたなら、
ちょっと寄せられたぐらいで、びびっていては、話にならない。
いざとなれば、コースをはみ出て、土煙を盛大に巻き上げて、
それで、抜けなければ、やるだけやったことになるが、
びびって、後ろに引くなんて、
死ぬ前の心残りとなる事の一つになるに違いない。
これが私の人生そのものなのかもしれない。
ここぞという肝心な時に、びびって、一瞬ブレーキを踏んでしまう。
土煙を巻き上げる度胸が座っていない。
今度こそ、同じ場面があったら、絶対に譲らず、
いざとなれば土煙を盛大に巻き上げよう。
人生の中で、この時はという肝心なチャンスにひびって、
あるいは欲に走って、我が志を曲げたり、萎縮することはやめよう。
朝のホテルでどうしても出てこない靴下の片方を、
時間を気にしながら探している間に、
あの富士戦での自分のふがいなさを思い出した。
我が専務、「きよ」が種子島を誇らしげにインスト日記に上げていた。
私だって、今日は札幌の空を腹いっぱい満喫したのだ。
千歳空港に向かう高速の輪厚SAで、夕焼けがきれい。
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