グァムのホテルでインターネットにアクセスしてから、
セキュリティが甘いアクセスをしてしまったのか、
迷惑メールが毎日100通以上も入るようになった。
メールの送受信のたびに、まず迷惑メールを受信拒否リストに入れることから始まる。
毎日、何分かのロスが重なるだけでなく、
人の大きな迷惑よりも自分のわずかな利益を優先させる愚かな人間の醜さを
毎日、何回か見なければならないことが、何よりも苦痛である。

人間のもっとも精神性が低い、
しかも誰もが(もちろん私も)持っている「性欲」であり「金欲」「物欲」をそそり、
しかも「楽に・・・」と、怠惰性を必ず伴っているのが特徴だ。
迷惑メールのような愚劣な行為に引っかかるのは、
「楽に」「労せず」して「性欲」「禁欲」「物欲」を満たしたいと思う輩しかいないだろうから、
こんな傾向がはっきりと残っているのだろう。

自分の顔を見せずして、
仕掛けによって不特定多数にアクセスできるインターネットが持っている弱点である。
便利な道具は、便利であればあるほど、招かざる悪意の人々をも便利にしてしまう。

しかし、そんな悪意の人でも、
自分が悪いと思ってやっている人は少ないのではないか。
むしろ、そんな行為を「利口なやり方」と思っているのではないか。
若くして「私は世の中のことを解ってしまった。」「自分は正しい。」と、
自分を否定する力を見失った小利口な賢者が、
得する事、正しい事としてやっているから、たぶん、始末が悪いのだろう。

エントロピーの法則によれば、
「熱」は高い方から低い方へ一方的に移動し、
無限に近い長い時間の内には、
すべての熱が均衡した均一の「ゆらぎのない世界」が出来るそうだ。
人間が元来持っている熱は、
他人の迷惑を顧みない動物的な自分勝手さの熱が高いのか、
一人がすべての人のためを思い、
すべての人が一人のためを思う理性としての熱が高いのか、
どちらに熱は均衡していくのか。
エントロピーの法則がどちらに方向に動くのか。