2009年05月14日(木曜日)
2205.「老いては子に従え」か? てやんでえ
東京に来ている。
思ったより膝の調子も良くて、
ゆっくり歩けば、そんなに不便なく東京まで来られたのはラッキーであった。
名古屋から東京への新幹線ではずっと曇っていたので
富士山はあきらめていたが、雲の切れ目から何十秒かだけ富士山のてっぺんが見えた。
ラッキーである。
見えないと思っていたのでカメラを用意していず、
慌ててカバンからカメラを引っ張り出した時には
すでに角度が変わり、雲がさえぎって見えなくなってしまった。
それでも富士山のてっぺんをたしかにこの目で見たので、
今回の東京は間違いなくラッキーなはずである。
新しい東京本部は、
やっぱり借りて良かった。
無駄になるかも知れないとずっとひっかかっていたが、
トレーニングセンターとは別の東京の拠点は、
絶対に必要であったことを改めて確信した。
東日本営業本部、東京販売2課、快洗隊の関東営業本部、FC本部、Web課、営業企画、
それぞれが、トレーニングセンターに間借りしている形ではなくて、
自分の仕事場で自立して一緒に仕事をしている姿は、見ていて非常に気持ち良かった。
また、それぞれに訪問者があって、
訪問してこられた方が、隅っこの方で話をするようなことも無く、
これから人の行き来が頻繁になることを予感させられて、
もっと早くこうすれば良かったと思わせるに十分であった。
四階建ての事務所の一階はぎりぎり四台分の駐車場。
一番広い二階はまだがらんとしていて、
きっと来てくれるはずと信じている人達を待っている。
東京本部は三階にあって、
今はまだ三階だけで十分であるが、
関東での仕事がもっと活発になってくれば、
二階も四階も使って、もっともっと活気が出てくるはずだ。
しかし、三階の東京本部にたどり着くには急な階段を上らなくてはならない。
膝の調子が悪い今は、一回昇ったら、その日はもう二度と昇りたくないほどきつい。
体重を落とす事を急がなくてはならない。
体重といえば、
Web課の谷課長は私の息子である。
十年以上前に東京に出てきて以来、
何故かすっかり東京人になりきって、
二度と名古屋に住む目的で帰ってくる事はないだろうと思っている。
先のことは何も分からないが、少なくとも当分は絶対に無いだろう。
彼はほんの1年位前まで私よりも体重が重かった。
100kgを越した事もあったはずだ。
デブの私が言うのもなんだが、デブであった。
それが、何がモチベーションになったのか突然ダイエットを始めて、
何ヶ月かで60kgの前半にまで痩せた。
「レコードダイエット」だと言う。
痩せた当初、久ぶりに本社のエレベーター前で彼と会った時、
私は、自分の息子だと気が付かなかった。
声をかけられて、変わり果てた自分の息子の姿に気が付き、
「何でこんな姿になってしまったのか」と、本気で悲しかった。
人間、痩せると、最初とても貧相に見えるのだ。
それが見慣れてくると、なかなかカッコいい。(こういうのは悔しいが)
そんな彼が、今日、膝を痛めた私にこう言った。
「真剣に痩せるつもりだったら、僕のノウハウ全部教えるよ。」と。
「そう、ありがとうね。」と口では言うものの、感情は素直ではない。
心の中で「ノウハウ・・・・? 上等じゃねぇか。」と負け惜しみである。
しかし、ホテルに帰る段になって三階の事務所から降りる時、
ジワッジワッとしか降りられない自分の膝に、
「老いては子に従え。か・・」と思わずつぶやく。
しかし、そうつぶやいた自分に対して素直ではないのが、
私のひねくれたところで、
「てやんでえ。」とわざわざ声に出してみるのは、
私の父としての威厳の安っぽさである。
約2年前の谷北斗
今現在、東京本部にて。