2009年05月04日(月曜日)
2199.四日目のぬるま湯は
足を完全に休ませて、膝の痛みを取ろうという四日間の休養日の最終日。
しかし、まだイカンなと思って、二日間休みを伸ばした。
明日九州に行く予定だったが、
復活までもうちょっとだと思って、
馬場さんと倉岡さんにお願いして8日にまで伸ばしてもらった。
それで、今持っている飛行機の予約券を持って
中部空港まで行った。
飛行機の日にちの変更をインターネットでやる方法が分からないので、
仕方なく空港まで行って、カウンターで直接変更したのだ。
休養の効果がどれくらいあったのか、足試しのつもりもあっただが、
膝の痛みはかなりなくなったが(たぶん)、
足の力が急激になくなったような気がする。
たった四日で筋肉が衰える事も考えにくいが、
仕事をやり始めてから、多分、初めて四日間も連続して家でゴロゴロしていたので、
やっぱり、筋力が急激に衰えたのだろうか。
私は、以前、蓮ちゃんというかわいい予言者に言われたことがある。
「谷さんは、気力で生きていますので、気力さえあれば200歳まで生きます。」と。
ということは、
気力が無くなったとたんに死んでしまう事にもなるではないか。
つまり私には、休養は命取りになるのかもしれないということ。
それでも原稿書きはボツボツやっているので完全休養ではないが、
筋肉を使わなかったら、たった四日間で、筋力の衰えをここまで感じるとは、
人間、サボったり、自分を甘やかせてはいけないという事だろう。
私は200歳まで生きるために働き続けなければならないのかもしれない。
朝9時から夕5時まで、ほとんど連続でNHKのBSで、
「ワイルドライフ」という自然ドキュメンタリーの特集を連続して見た。
その中の、大集団、大量発生についてのコンテンツで、
何兆匹ものウスバカゲロウが、水温17.5゜Cになった時に一斉に羽化する話。
何十臆匹ものセミの幼虫が、気温18゜Cで一斉に地中から這い出て、羽化する話。
十万頭もの「ヌー(アフリカの牛の仲間)」が、大挙して移動する話。
あとイワシとか、ミツバチとか、ムクドリの一種とか、コオモリの一種とか、
とにかく何十万、何億、何兆という動物が大集団を作ったり、
一斉に大量発生したりする話だった。
この話が一番面白かったが、
その理由が実に理にかなっている。
「これらの生き物にも必ず天敵がいるが、
捕食者である天敵の目の前に、
大量にいっぺんに出現すれば、一度にはそんなに食べられないので、
ほんのわずかの仲間が犠牲になれば済んでしまう。」ということ。
たとえば、
カゲロウは鳥に簡単に捕食されるが、
何兆匹が一斉に羽化して、たった一日で交尾し産卵して死んでしまうから、
鳥だって一日に食べられる量は決まっているので、ほとんどが食べられずに済む。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない。」と同じか?
面白いが、好きになれない価値観だ。
しかし、一日中、ほとんど何もせずにゴロゴロしていて、
明日もまたゴロゴロしていることに決めると、
明日のことを何も考えないし、緊張感もない。
何かして遊びたいとも思わないし、
実は本も三冊読んだところで飽きてしまった。
だから、早く仕事をしたいと思うかというと、そうでもない。
ぬるま湯にひたってウトウトするような、気だるさがある。
何の目的も持たない心境になってしまっている怠惰な自分が不思議なくらい。
世の中には「いったい、働く気があるのかな。」と、
私には理解しがたい人がいるが、
何となく、ダラダラ、ゴロゴロ、していると、
そんなぬるま湯から抜けるきっかけを見失っているような、
意志を持っていないような、無気力人間の気持ちが、ちょっと分かるような気がする。
かといって、
心地良いかといえば、まったくそうではない。
喜びも、充実感も、達成感も、全部見失っているみたいで、
むしろ不快感の方が強い。
せっかく生まれてきて、どうせ死ぬんだから、やっぱり精一杯生きたい。
今だけ、膝を直すためという目的があるから、仕方ないが、
この四日間、あと二日間、体はゴロゴロとしているが、
そろそろぬるま湯が、不快になってきている。