2009年03月14日(土曜日)
2159.独自性を作り出している両輪
久しぶりに愛知に戻って、今日は取締役会議。
この会社の最高責任者たちの会議である。
出席者は、
代表取締役 快洗隊本部長兼務。
専務取締役 西日本担当。
常務取締役 経営企画本部長。
常務取締役 管理本部長。
取締役 営業本部長。東日本担当兼務。
取締役 中日本担当。
取締役 関東快洗隊営業部長。
監査役。
以上8名がアイ・タック技研?の経営陣たちだ。
彼らは会社のことすべてについて知っている。
会社の経営内容についても隅から隅まで知っていて、
今後の会社が行っていく戦略までをすべて知っている。
情報公開は経営の基本であって、
下手に内緒ごとをしたままで議論をしても、的を得た議論にはならず、
みんなの知恵を集めることにはならない。
社長一人の知恵と能力なんてたかが知れている。
たくさんの人の知恵と能力が集まって、初めて、有効な施策が作り上げられるし、
たくさんの仕事を進められる。
そのためには、少なくともそれぞれのセクションの最高責任者が、
会社のすべての情報を知っていなくては、的確な議論は出来ない。
活性化された会社とは、徹底的な情報公開がなされている会社なのではないだろうか。
それは、世の中に対しても同じことで、
直営店などから情報は一つのノウハウとして
キーパーPROSHOP通信、キーパータイムスなどでリアルタイムに伝えられ、
「技術」は色々なスクールなどで毎年1万人レベルの人に伝えられる。
どこまで開かれた会社であるかということが、
多くの人からより多くの信頼を得るための一番重要な要素なのではないだろうか。
その反面、
主要なケミカル群の製法ノウハウの肝心な部分の秘密だけは、
私と研究室の責任者のたった二人しか知らない。
これだけは絶対に公開できない部分で、
どちらかが死んだら、その時の最高責任者に順ずる人に伝えることになっていて、
必ず二人が知っているように約束がされている。
一人では、秘密を知らせる間もないほどの不意の死があった時、
永遠に製品が造れなくなってしまうから、必ず二人が知っているようにしている。
嘘のような本当の話。
しかし製造している工場の人なら
皆が製造方法を解っているはずと思われるかもしれないが、
それぞれの製品には「支給原料A」からほぼ製品の数だけ「支給原料U」まで、
製品の一番肝心な部分の原料が、私達から秘密の原料として支給され
それがないとその製品が絶対に造れないようになっている。
だから、本当の製法は、私と研究室の責任者2人しか知らないことになるのだ。
私たちの作っているケミカルは、
それほど製法に独自性があるものであって、
特許も何件か持っていて、公開されているものもいくつかあるが
その公開された特許の文中にも、もっとも肝心なことは書いてない。
何種類の製品について、今までに数え切れないほどのコピー品が造られて来たが、
同じ物はもちろん作られたことがなかったし、
私たちの製品以上の性能を持ったコピー品は、いまだ見たことがない。
徹底した情報公開による活性化された議論によって生まれる独自性と、
徹底した秘密保持による製品の独自性。
この二つの独自性の両立が、我々の会社を支えている両輪であり、
自分で言うのも変だが、大変、変わった会社である。
あるいは、私は他の会社のことは知らないが、
独自性を持った会社とは、みんなそうなのかもしれない。
決して大きな会社でもなく、立派な会社でもないが、
独自性だけは滅多なことでは負けていない会社である。