2009年02月21日(土曜日)
2142.墜落した飛行機と同型に乗って
先々日、
仙台行き飛行機のEチケットをもらった時、
仙台12:45発の便が、中部空港に14:15に到着することに少しだけ違和感を持った。
仙台空港で飛行機に乗る時その訳が分かった。
機体があの「ボンバルディアDHC8-Q400」だったのだ。
先日ドイツに行った時、
ほぼ時を同じくしてアメリカで墜落した同型機である。
また、1年ほど前には日本のANA機が着陸時に脚が出ずに胴体着陸をし、
世界でも何件か同様の事故が起こしたあの機体である。
空いていることが多かった中部⇔仙台便のANAは、
いつの間にかジェットのA320から
プロペラ機のボンバルディアDHC8-Q400に変わっていたのだ。
ジェットならば中部⇒仙台は偏西風に乗って55分で到着し、
仙台⇒中部は逆風なので1時間5分くらい。
それがこの便は1時間30分かかっているので、違和感を持ったのだろう。
しかし、あの時、
みんなが乗っている飛行機が、
たまたま事故が続いている機種と同じであることを知っていたのは、
あの約30名の乗客のうち何人くらいであろうか。
多分ほとんどの人が知らないだろう。
機体が小さいので、風が強いなかの上昇中に機体が大きく揺れる。
乗客が少し恐怖を感じるこんな時に、
「この飛行機って、アメリカで墜落した飛行機と同じだ。墜ちるんじゃないかっ?」と
と大声で騒いだとしたら、
きっと多くの乗客は不安に陥るだろう。
私が「人々に恐怖と不安を与えて喜ぶような卑劣な人間」ならば、
こんなチャンスはないだろう。
しかも言っている事は公表されている事実だから、罪になることはないだろうし。
もちろん、
機内には私を含めてそんなバカな輩はいなかったが。
多くの人の前での発言には責任と気配りが必要だ。
不用意な発言、無神経な発言が、
多くの人を不愉快や不安にし、ある時には害を与えることもある。
まして悪意ある誹謗中傷や罵詈雑言は、
最も憎むべき犯罪行為と同様だ。
インターネットの中に数あるブログソーシャルサイトでも、
匿名性がゆえに発せられる自分勝手な書き込みによって“荒れる”ことを防ぐために、
膨大な手間と時間を使ってチェックし、防衛している。
という話を聞いたことがある。
匿名性、つまり自分が誰であるかを知られない状態の時、
その人のやりたい事が、罵詈雑言であり誹謗中傷であるならば、
その人は憎しみの中に生きている不幸な人である。
また多くの人の前で、
自分の事ばかりを発する人は、
自意識の塊であり、
自分が人からどう見えるかにだけ興味があり、
自分のためにしか働けない人ではないだろうか。
相手に気配りをし、相手のために働くことが難しい人ではないだろうか。
ところで私はこの飛行機に乗っていて怖かったか、
残念ながら、まったく怖くもないし不安も感じない。
プロペラ機は、高度が低いので景気がよく見えて好きだ。
仙台⇒中部はA席に乗ると「富士山」が上空からよく見えて、火口の中まで見える。
しかし、この日は空がずっと白くもやっていて、
とうとう富士山の影も見ることが出来なかった。そのことの方が残念であった。
昨日はノースウェストのB747機が乱気流に巻き込まれ、負傷者が多く出た。
飛行機は確率的には最も安全な乗り物であるが、
やはり、気持ち的には怖い乗り物であることは違いない。
ボンバルディアDHC8-Q400