2009年02月14日(土曜日)
2137.正真正銘、タフなプロフェッショナル達
今回のドイッでの撮影は、ギリギリまで節約して造ってもらった。
まだオリバーカーン氏の出演OKが決まっていなかった時点で、
去年11月、東海四軒でのCMを実行する期限が近づいたので、
一時はオリバーカーン氏をあきらめて、
地元の三人のゴールキーパー
ハンドボール、サッカー、アイスホッケーの選手に主演いただいて1本CMを作っている。
それを作り終わってから、何があったのか分からないが、
急にオリバーカーン氏の出演OKが来て、どうしようかものすごく迷ったが、
こんなチャンスはそうそうあるものではないので、
もう一本CMを製作することにしたのだ。
先に作ったCMのキーパー施行作業の部分はそのまま使うとして(編集はし直すが)
あとは全部作り直しで、丸々、予算オーバーで作ることになった。
だから、製作担当のADKに無理に無理を承知で、
超節約型の低予算でのCM製作をお願いした。
しかし、世界的な有名人オリバーカーン氏を使ってのCM、質を落とす訳には行かない。
ドイツに行くスタッフはわずか7名。
ADK営業担当の松岡さん。
ADKクリエイティブで総合的な監督である加藤さん。
そして製作に直接関わるプロ達。
ドイツでのムービー製作監督の江口さん。
ビデオ・スチール兼用のカメラマンで海野さん。
照明、光と影の魔術師、真柄さん。
ビデオマネージャーの山本さん
製作進行の吉住さん。
たったこれだけのスタッフであるが、
それぞれ精鋭中の精鋭で、まさしくプロ軍団である。
照明担当をドイツ人で2名応援をもらうことになっているが、
いずれにしても、これ以上ない少数精鋭である。
それだけに百戦錬磨のタフな凄腕プロが選ばれている。
ドイツに行くのも、
松岡さんがインターネットを駆使して、
最も安くドイツへ行くためのルートを探し、格安チケットを手配してくれた。
それも、3ルートに分けて飛ぶ。
中部空港⇔香港⇔ロンドン⇔ミュンヘン
中部空港⇔成田⇔パリ⇔ミュンヘン
中部空港⇔ヘルシンキ⇔ミュンヘン
準備作業の都合で出発の日と帰国の日が、
私とADKと製作スタッフそれぞれに違うので、
同じルートでの格安チケットが取れず、それぞれにルートが変わってしまうのだ。
いずれのルートも、
エコノミークラスで往復6万円台と、中部⇔札幌の往復料金よりも安い。
外国での乗り換えは入管の関係もあってストレスが大きいが、
皆さん無理をして経費の節約にご協力いただいた。感謝である。
もちろん、製作そのものも超節約型である。
オリバー カーンの事務所からもらった撮影のための時間はわずか8時間。
本番までに以下に準備が万全になっているかが勝負である。
前準備のために先月ADKの加藤クリエイティブと、アイ・タックの畠中常務に
ドイツに行ってもらい、手配出来るだけの手配は済ませている。
本番スタッフがドイツに来てからの本番準備には念を入れすぎるくらい念を入れたそうだ。
しかしいざ本番で、
何かちょっとでも手配漏れ、準備漏れ、打ち合わせ漏れがあったら、
たった8時間の間にムービーとスチールの両方の撮影をする強行軍では、
ミスを取り返すだけの時間はない。
本番ギリギリまで、加藤クリエイティブは胃が痛む思いであったという。
そして、本番の日。
前日、SONAXの研究所での撮影も順調に終わっていて、
最後のいよいよ本番である。
幸い、オリバー カーン氏のセンスのいい名優ぶりとスピードで、
予定の時間を大幅に余らせて、本番を無事、思った以上の成果で終えることが出来た。
撮影中は、どのスタッフも
それまでの準備に大変苦労していることなどまったく感じさせない飄々ぶり。
淡々と、怒鳴り声などもちろんなし、静かに、当たり前のように本番は終わった。
プロの仕事はこういうものだ。
苦労とか、必死とか、切羽詰ってなどという場面は一度もない。
はたから見ていると、当たり前のことを淡々とこなしているしか見えない。
私たちの洗車、コーティングなどの作業でも同じで、
本当に上手いスタッフはすべての作業を、いかにも簡単そうに楽々とこなしていく。
しんどいような表情も、場面もまったくない。
いや~~、本当のプロの仕事って、必ずこうなんだよな。
本番が終わったら、打ち上げである。
制作スタッフの方々は機材の撤収と、機材のレンタル先への返却があって、
遅れて打ち上げに参加するようだ。
暗くなりつつあるミュンヘンの街へ繰り出す。
入ったのは巨大ビールガーデン、というか巨大酒場。
収容人数は上の階すべてと庭まで入れて数千人と聞いた。
大戦前、ヒットラーが民衆を扇動した演説をした場所としても有名である。
残念ながら名前は忘れた。
先に酒場に入ったのは左からADKの松岡営業。選手の耳を噛んだ話が有名なカーンを真似ている絵か。
松岡さんは積極的に自分のキャラを創る(壊す?)人らしい。
そして、いつもお世話になっているSONAXの吉村さん。
右に飲めない酒を「今日ばかりは」と飲んでちょっとボォッとしているのが、
これまで一番苦労してきた人である加藤クリエイティブ。
いや、松岡さんも苦労してきているはずだ。
彼が食らいついているのはこの酒場名物の「トンソク」。
しかしこのトンソクは、日本の「豚足」とはまるで違い
「豚のひざ」の部分で肉がたっぷりついてでかい。
そして、めちゃくちゃうまい。
かなり時間が経ってから、
製作スタッフの人たちも合流した。
この写真を撮っているは、カメラのプロ中のプロ「海野さん」
さすがにアングルが決まっている。
撮影のプロフェッショナル「海野(かいの)さん」
この世界での売れっ子プロである。
この人のキャラクターは、何というか、圧倒的であり、追随を許さない独創性がある。
めちゃくちゃ面白い。
お仕事中の海野さん。
ムービー制作の江口さんと、制作進行の吉住さん。
加藤さんいわく「どんな所で、どんな人に会っても、どんな困ったことになっても
江口さんがうろたえたり、ヒビッタリするところを見たことがない。」
超強心臓の監督なんだそうだ。
もちろん、カーンの前に出てもまったく臆したりしなかった。
お仕事中の江口監督。
その向こうでドイツ人の照明スタッフが、まったく言葉が通じないのに
プロ同士だからなのか、何の不自由もなく一緒に仕事をしていた。
お仕事中の吉住さん。
吉住さんがどこにいるかわかりますか?
そう、テストでテレビモニターに映っている人です。
ビデオエンジニアの「山本さん」と照明の「真柄さん」
やはりこの世界では売れっ子のバリバリのプロです。
お仕事中の真柄さん。
照明のための器具を体中で動かしている。
ものすごく仕事が速い。まさに光と影の魔術師である。
真ん中のビデオエンジニアの「山本さん」の仕事は解りにくい。
ただのカメラマンではなく、コンピューターを使って色をコントロールしたり、
いつも必ず何かをコントロールしている映像の司令塔のような人だ。
これが終わったら翌日には日本に帰って、すぐまた南アフリカに行くそうだ。
まさに売れっ子である。
真ん中にいるのが、お仕事中の山本さん。
ちなみに一番左に体半分写っているのは通訳でありコーディネーターの「ケン若月さん」。
なぜかどの写真を見ても若月さんは半分しか写っていないのでここで紹介する。
この人の存在感はすごい。
大物との仕事に慣れているようで、江口監督の指示をカーンに的確に伝えていた。
その隣にいるのが、
カーンのマネージャー「SIGRID ENGELNIEDERHAMMERさん」(読めない)
すごいやり手であり、カーンからの信頼が絶大であった。
お仕事中の若月さんと、後姿の超度胸監督江口さん。
みんな飲んで飲んで、大騒ぎである。
ちなみに左下に調子に乗って騒いでいるイタリア人。
勝手に「異文化交流」をしてきた。
他にもたくさんの人が関わって、仕事が成り立っている。
画面に写っているのはカーンのスタイリストさん。よく働く人だ。
ドイツの照明のプロが日本の照明のプロと、
まったく言葉が通じないままコミュニケーションをもって、何の不自由もなさそうに一緒に仕事をしていたのには感心した。
ありがとうございました。
関係ないが、この日の私の昼ごはん。
見た目よりうんとおいしいですよ。
最後に通訳さんの三人。
左から「さゆりさん」。カーンのマネージャーさんとの折衝に大活躍していた。
SONAXの吉村さん。
この日は前出の若月さんも入れると四人の通訳さんがいたわけだが、
吉村さんのドイツ語の発音がキレイだとずいぶん誉められていた。
そして一番右の「井上さん」。
ADKのフランクフルトの拠点に勤めている人で、
非常に仕事熱心で、とても好感を持てるすばらしい人です。