2009年01月12日(月曜日)
2111.成人式には似合わなかった
私は36年前の成人式に出なかった。
同級生たちの、特に女性たちの晴れ姿を見たくなかったから。
その頃の私は不安定で、
価値観が定まらず、落ち込んだり、奢ったり、まったく自分を見失っていた。
夜明けまで呑んで、大きな交差点の真ん中に大の字で寝たり、ひどいものであった。
それまで持っていた一つの価値観が、
カッコつけただけの空虚なものであることを自分が一番知っていたので、
それが壊れたあと、酒びたりになりながら
ずっとずっと働いた。本もむさぼるように読んだ。
自分の中に自信のかけらもなくて、そのくせ怒りっぽくて、ヒガミっぽくて、
ありもしないプライドを振り回し、
根拠のない思想を口走り、ある時期、見た目だけでなくボロボロだった。
それでも親に頼ることはしなかった。
親にしてみれば、
頼られないことを頼もしいと思ったのか、情けないと思ったのか
最後まで聞かなかったが、
あのころはどうでもいいことだった。
20才は、私にとって、何だったのか。
思い出してみて、
楽しいこともあったはずなのだが、自分が笑ったことを憶えていない。
酒を呑んで大騒ぎして笑ったはずなのだが、何が楽しかったのか憶えていない。
恥ずかしいことはいっぱい憶えている。
苦しかったことや、
くやしかったことはいっぱいあった。
闘った。
自分の心に情けない部分があったことも憶えている。
心が震えて泣いたこともいっぱい憶えている。
わが青春は、激しかった。
とても、着飾ってはしゃぐ成人式には似合わない青春であった。
でも私にとって、いい青春だった。
君たちにとって、青春はどうだった?