谷 好通コラム

2008年12月20日(土曜日)

2091.全く当てにならない我が2009経済予想

朝から一日中、事務所で原稿書き。
2008年は何をやったか、
記録を見ずには思い出そうとしても思い出せない。
というよりも、
思い出そうという意欲が湧かないのだ。
今年いっぱいの行動は、
今の結果として目の前にあり、
今の結果をもって反省することは山ほどあるが、
懐かしみをもって思い出そうとはあまり思わないのは、
今日がまだ、本格的な年末ではなく、
今の結果に対する反省を元に、来る年の行動を考える時期だからなのか。

 

まず、今の状況をどう考えるのか。
とりあえず前提として考えなければならないのは世界を覆う金融ショックのことか。
サブプライムローンの破綻を機に世界中に広がった金融ショックは、
私にはどうしても金融バブルが壊れた“だけ”に思えてしょうがない。

 

あらゆる金融商品や証券などはそのすべてが、
実は、実態とはほとんど関係なく値がつけられて、
実体とはほとんど関係なく売買され、売買上だけで生まれた利益というバブル。
たまたま何処かのつじつまが合わなくなって、
精算の方向に売買が始まったら、
当然のごとく、
あらゆる部分においてつじつまが合わないことが暴かれる結果となり、
ゲームに使われた紙上の金(かね)の価値が、実は恐ろしく低いことになった。

 

 

アメリカという国において中心的な産業の一つである車産業は、
そのどのメーカーのどの車種を見ても、
すでに時代遅れであって、
ファンな車はほとんどなく、あらゆる面において性能的に秀でた車もなく、
環境面においても大きく遅れていて、
アメリカ製の車を買う国はアメリカしか無くなってしまった。
そのアメリカ国内ですら、車としての性能、車としての魅力に優れた日本車、
ドイツ車、韓国車などによって駆逐されつつある。
全世界においてアメリカ車は不人気であるが、
唯一、強いアメリカを彷彿させるノスタルジーな復刻車だけが妙に魅力的だ。

 

よく知っているわけではないが、
アメリカの経営とは、短期的な利益が上がるかどうかが至上であって、
将来を見据えた技術開発など興味がなさそうに見える。
興味あるのは利益と自らの収入と贅沢でしかないように見えるのは、
私の一方的な偏見であろう。

 

いずれにしても、世界の技術をリードしていたアメリカが、
目先の利益を追う体質によって
金が利益を伴いながら回り膨れ上がっていくバブルの国になっていって、
その富の仕組みのつじつまが合わなくなるのは、時間の問題であったのであり、
何か突発的な事故ではないのではないか。

 

しかしそれがバブルであろうが、
日本にとってアメリカは、
輸出先の一番の上客であったことは間違いない。
しかしその上客がこけたとしても、日本と、日本の自動車メーカー自体は、
特にトヨタ自動車は、
その繁栄が決してバブルに立脚したものではなく、
しっかりと築かれた技術と社員、膨大な協力工場、堅実なマネージメントによって
磐石な経営を形成していることは間違いない。
アメリカの自動車メーカーとは全く違う体質を持っていて、
今回の金融ショックによってドルが下がり、
しかも販売台数が世界的に低下したとしても、経営基盤はビクともしない。
今の経済状況に合わせて、いくらか身をすくめているだけである。

 

景気の調整弁となってしまっていた期間工や派遣の労働者の人達には気の毒だが、
私が知る限りでは、トヨタとそれにかかわる大会社の社員の人達に
将来に対する不安の色は全くない。

 

これまでも何度かあった世界的なショックの時と同じように、
自粛というちょっと身をすくめる行為をしているだけのような気がする。
トヨタ自動車は史上空前の利益を更新している時は
「はしゃいではいけない。派手なことは自粛すべきだ。」と言い、
今回のような危機の時も、
「はしゃいでいる時はもう終わった。派手なことはいっさい自粛すべきだ。」と言う。
トヨタはどんな時も決してはしゃがず、派手なことは自粛する会社のようだ。
だから誰も不安で狼狽することなどない。

 

アメリカを端にした世界的金融ショックは、
アメリカの繁栄のバブルの分が地球上から消えるかもしれないということであって、
世界中にあるバブルの世界が一時的に収縮するに過ぎない。
例外があるとしたら中国のバブル(ロシアも?)は、金融の世界だけにとどまらず、
国そのものがバブル状態であったかもしれず、これは深刻であるかもしれないが。

 

実体経済の強靭さと、世界トップクラスの技術と、誠実で実直な労働者、
無借金経営を最高とする堅実な経営風土を持つ日本は、
私には世界で一番強い産業国に思える。
「円」が独歩高なのは、実は世界中がそう見ているからではないのかな。
ほんの少し前まで原油の姿になって大儲けをしていた金融マネー、
今は「円」の姿になって、じっと身をすくめているのではないのかな。
100ドル/バーレルは絶対に切ることはないだろうと
世界中のエコノミストが言っていたのにピークの1/5まで下がった原油のように
いつか、それも近々、まさかと言うタイミングで一斉に「円」が売られるかもしれない。
どんな驚きがあっても不思議ではない金融マネーの狂奔ぶりに
実体経済において我々が狼狽することは全くないのだと思う。

 

来たる2009年。
しっかりとお客様を見て、
しっかりとお客様の目線で、自らを省みて、
確かな品質を頑固なまでに守り、将来の展望をもった経営を堅持していけばいい。
利益を求め、損失から逃げ惑う金融マネーの右往左往振りに、
決して惑わされてはいけない。
今日、一日中、今年のことと来年のことを考えていたら、そんなことを思った。

 

 

昼ごはんを食べがてら、
気分転換に快洗隊大須店と甚目寺店に遊びに行った。

 

大須店はただ今洗車売り上げ237万円で前年対比267%。
甚目寺店はただ今235万円で前年比156%。絶好調である。

 

大須店・佐々木チーフが予約の整理中。

 

 

札幌から応援の滝沢君が頼りにされて、とてもいい顔をしていた。

 

 

「僕の写真はないんですか~~?」と引き止める三浦店長。

 

 

甚目寺では堀店長が友人の結婚式で残念ながらお休み。
しかし「前から決まっていたんです。」と伊藤チーフがかばう。
イヤーここはいいですね。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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