谷 好通コラム

2008年11月08日(土曜日)

2058.「はじめに人間ありき」

4日前、会社を出る間際に何枚か写真を撮って、
家に帰ってその夜、カメラを出そうとカバンを探したらカメラがなかった。
多分、会社に忘れてきたか、車の中を置き忘れたか、
いずれにしても、すぐに出てくるかと思ったカメラが出てこなかった。
一体どこに行ったのであろう。
きっと、忘れた頃にひょこっと出てくるに違いないのだが、
カメラがないのは非常に不便であり、このコラムも寂しい。

 

よくよく考えたが、
とりあえず新しいカメラを買うことにしてしまった。
失くしたカメラが出てきたら、使うと便利な人がいくらでもいるので
その人に渡せばいい。そう考えたのだ。
機種は本社の超能力便利マンである古味君に任せた。
今までのカメラはすべてコンパクトカメラで、
シャッターが降りるのにタイムラグがありイライラする事がたびたびあったので、
今度は一眼レフで一番小さいのを探して欲しいと伝える。

 

ルミックスG1というカメラと、オリンパスの何とかいうカメラを候補に出してくれた。
私はオリンパスの方が安いし良かったのだが、
メディアがSDではなかったので、
みんなとの互換性も考えてSDが使えるルミックスの方にした。
しかし、ルミックスはミラーレスと形を取っており軽くて小型でいいが
ファインダーが実像ではなくデジタル画像であったのはがっかりだった。
それでもメディアがSDでないと何かと不便なので、我慢して慣れるしかない。

 

 

昔、ビデオの録画媒体が、松下の「VHS」とソニーの「ベータ」と分かれていて、
一度VHSを使ったら、当然、録画テープがVHSで貯まるので、
次に買うビデオカメラもデッキもVHSとなり、
録画媒体の形式を先に制したものが、
後々のこの世界のハードのマーケットをも制するとしてビデオ戦争があった。
しかしその頃、急速に広がったレンタルビデオの多くがVHSを選択したこともあって、
最終的にVHSが勝利した。

 

そんなことが、PCの世界でもあり
ソフトがハードを決めているような要素もある。

 

デジタルカメラの世界でも、
画像保存メディアという要素が
カメラ本体のシェアをも大きく左右する要素になっている。
数千円で買えるちっぽけなメディアが、
数万円もするカメラ本体の売れ行きを左右する大きな要素になっているのだ。

 

ソフトがハードを決定するような、
昔では考えられなかったことが現代では多くある。

 

 

機械・ハードは人のためにある。
人は心であり、ソフトであると言える。
だから、ソフトがどのようなハードを必要としているかで、
造るべきハードが決まる。
人が主人公であり、ハードはその道具であり、決定要素ではない。

 

そういう意味でソフトの無いハードは無意味とも言える。
はじめに機械ありきでなく、
はじめに人間がありきであり、そのためのソフトがはじめにありきであろう。

 

人間・お客様が喜んでいただくためのサービスが何であるかが最初であり、
そのサービスを作り出す人間と、技術とソフトがあり、
そのためのハード、機械でなければならない。
機械がはじめにありきのソフトであってのサービスは、
多分、人間が求めたものではないので、意味のないものになる。

 

はじめに人間ありきなのだから。

 

「原点探し」が今日の会議のテーマ。

 

 

鳴海店に「はじめに人間ありき」の新しい機械。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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