2008年09月13日(土曜日)
2015.「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」
「このところアメリカのトニーの話がちっとも出てこないね。」
と言われることがある。
一つには私自身が今は国内の仕事に集中すべきであると考えていること。
だから、アメリカとか中国でのビジネスは、
それぞれ担当の者と現地の人に任せることにして、
私は滅多に海外に出て行かなくなったので、
私のここでの話には上ってこなくなっている。
もう一つ、
今年のお正月明け、トニーの奥様、益美さんが大病をされ、
ずっと入院されていること。
トニーはその看病に追われていて、私も邪魔にならないようにしていた。
そんなトニーから久しぶりにメールが届いた。
メールの言葉によれば
「やや回復の兆しが見えてきた。」とあった。こんな嬉しいことはない。
しかし、地球の反対側にいる友の苦労を何も出来ないままいるもどかしさ。
ただじっと奥様の回復を念じるしかない。
そんなこともあって
アメリカでのビジネスはちょっと中断している。
また
先日、香港から帰って来た時、
日本のパスポートコントロールで
「そろそろパスポートのページを追加して下さい。」と言われた。
パスポートのページに出入国のスタンプを押す場所がなくなってきているほど、
多くの回数を海外に出て行ったわけだ。
本当に一生懸命やった。
それでも、海外のビジネスは簡単に進むものではない。
むしろ、こちらが力を入れて
ビジネスを前に進めようとすればするほど、
空回りになっていたような気がする。
焦れば焦るほど・・って感じだ。
それが色々あって、海外での活動を一時休止すると、
今度は逆に、海外の方からたくさんの話が入るようになってきて、
ちょっと驚いている。
香港でのキーパーPROSHOPもその一つ。
香港の蔡社長の事業意欲もすごいものがあって、
彼が現在持っている東南アジアでのビジネスに
「キーパー」と「キーパープロショップ」を活かして行くそうだ。
どうなるのかは分からないが、
いずれにしても、こちらは協力をしていくだけだが、
彼の意欲によってビジネスがどんどん進んでいくようだ。
他にもいくつかの話があって、
けっこう現実味のあることになってきている。
私は何事に対しても、
いつも主体的であろうとし
決して受身での動きはしてこなかったし、それを嫌っていた。
「仕事は待っていてはダメだ。自ら進めていくものだ。」
社員にもずっとそう言い続けてきた。
しかしそれは、
自分が思った通りのスピードで、
自分の思い通りにしようとしていたことに
過ぎない場合もあって、
自分の思い通りに行かないと、余計に焦って力を入れる。
織田信長の「泣かぬなら殺してしまえホトトギス。」はいかにも乱暴だが、
豊臣秀吉の「鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス。」みたいになっていたこともある。
特に、相手が海外でのビジネスのように、
自分とは違う環境の中で、
違う感性のマーケットに、
違う価値観を持ち、違う時の流れを持つパートナーに、
自分の思い通りにしたいと思ったほうが間違っていて、
徳川家康の「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス。」が合っている場合もある。
そんなことではないだろうか。
香港で「キーパープロショップ」を2店舗オープンさせた蔡社長が、
2店舗分の販売データを持ってきてくれたが、
それを分析すると、驚くほど日本の快洗隊、それも直営店の係数と似ていた。
コーティング/来店台数の比率33%、平均単価6,300円/台
他の係数まで快洗隊にそっくり、それも甚目寺店に似ていた。
8ヶ月連続予算達成の記録を更新しつつある甚目寺店に似ているとは、
香港のキーパーPROSHOP、いよいよ本物かもしれない。
香港からやってきた蔡社長とアイ・タック通訳の李さん。
少なくとも洗車に関わることでの彼女の通訳は、絶対に日本一である。
李さんの通訳があったから、香港でのキーパーPROSHOPがここまで来れた。
海外でのビジネスは
「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス。」に限るのかもしれない。