谷 好通コラム

2008年06月11日(水曜日)

1939.何処でも同じく美味い

現代、外食産業・食べ物商売は、ほぼチェーン店が席巻していると言っていい。

 

食べ物はやっぱり美味しいことが第一で、
清潔であることも重要な要素であるし、
接客も大切であるが、
料理が美味しくなくしかもマズイとしたら良い接客も意味をなさないし、
食べ物が美味ければ、多少接客が悪くても我慢できる。
やっぱり食べ物商売は美味さだ。

 

美味いラーメン屋さんの店には行列が出来るという風景がよく見られる。
美味い寿司屋さんでは値段がびっくりするほど高くても繁盛している店もある。

 

しかし、どれくらい美味いかに問題はある。
以前、東京の大きな会社の副社長さんに、
銀座の有名な寿司屋さんに連れて行ってもらったことがあるが、
お上品な寿司をいくつか腹八分目まで食べて、
一人5万円ぐらいだった経験があるが、
もしこれが自分の払いだったら多分、私は気絶している。
さすが東京、よくこんな高い店に来る人がいるものだと感心したことがある。
では、味は? というと、たしかに美味しいとは思ったが、
グルメではない私には「美味い回転寿司」とその違いが分からなかった。
いわゆる「猫に小判」「馬の耳に念仏」「豚に真珠」「谷に高い寿司」なのであろう。
私に高い物を食べさせても無駄であることは、
私自身が一番よく知っていることなので、
自らそんな勿体ないことは決してしない。
私には「吉野家の牛丼」レベルが、十分に「美味い!」の基準なのだ。!(^^)!

 

とにかく食べ物商売は「美味い」が肝心なことには違いないが、
それが飛び切りならば、料理人の熟練による技術に寄る事が大きいので、
「美味いラーメン屋」「高い寿司屋」ななど存在しているし、繁盛しているが、
そんな店舗の絶対的数は少ない。
熟練の職人さんの人数の分しかそのような店は造れないからである。
食べ物商売の店舗の全体では圧倒的に少ない。

 

私レベルの普通の人にとっては、
正に「豚に真珠」「谷に高い寿司」で、
5万円も払ってまで飛び切りに美味い寿司を食いたいとも思わないし、
吉野家の牛丼、CoCo壱番屋のカレーで十分美味い。
デニーズのオムライス、その辺の焼肉屋、
マックのチーズバーガー、フィレオフィッシュ(MOSだともっといい)が、
私の味覚の標準と言える。
だから、5千円の「フランス料理」のコースとか、
3千円の「中華料理」のコースは、十二分に美味しいのだ。
「焼肉」でも3千円払えば十分に美味しい肉が食えて大好きだ。

 

それが、たとえばチェーン店であって、
そのマークの付いている店ならば、
どの店でも安心してその美味しさがあるならば、
日本国中何処へ行っても、私はその美味しさを十二分に楽しめる。
そこがフランチャイズチェーン店の強みであり、
消費者から見たフランチャイズチェーン店の安心できるというメリットなのだ。

 

美味しい店を探すのは一つの楽しみでもあるが、
「探す」からにはハズレもたくさんあるはずで、アタリがくるとは限らない。
何処か初めての土地へ行って、
自分が晩御飯を食べる店を考えるとしたら
アタリかハズレか分からないが、冒険のつもりで「飛び切り美味そうな」店に入るか。
以前食べたことがあるチェーン店がそこにあって、
そのマークの店がけっこう美味しかったとしたら経験から
ハズレがいやなので、とりあえずそのチェーン店に入るか。
けっこう迷うところだろう。

 

消費者は、外食のチェーン店が発達する前、
色々な食べ物やさんに入って、ハズレて、懲りて、
だんだん、とりあえず安心できるチェーン店をよく利用するようになり、
個人でやっている食堂のような店舗が廃って、チェーン店が爆発的に増えたのだろう。
多店舗を展開するチェーン店は、
「何処の店で食べても同じように美味い。」ことが最大の武器であり、
繁栄のポイントなのである。

 

我々の快洗隊でも同じようなことが言えて、
お客様に提供する「キレイ」は、
何処の店舗に行っても同じように得られることが重要であり、
そのキレイさを作り上げる「マニュアル」が、
食べ物屋さんの料理の「レシピ」に当たる。
それが外食産業のチェーン店であれば、食材から味付けまで工場で作り、
チェーン店舗に配ることが出来、ある程度の品質が確保できる。
しかしも我々コーティングであり洗車はケミカルとか道具は提供できるが、
それを使って商品そのものを作り上げるのは、あくまでも店舗のスタッフであり、
その造り方によって品質は大きく変わってしまう。

 

だからこそ作業の「マニュアル」は大切なものであり、
そのマニュアルによって、品質が保証されることになる。
だからマニュアル作りは、ものすごく多くの時間と議論と実践を通じて作られる。
品質向上のための修正もたびたび行われることもある。
もちろん、時間をかけた実践と議論の末であるが。

 

お客様によっては、欲しいキレイさの基準が違うので、
決まったマニュアルの中で造られたコーティングとか洗車の品質に
満足されない場合もある。
そんな時、あるお客様が「ここの部分のちゃんと擦ってちょうだい。」の要求に従い、
場合によってはその車に限ってやることもあり得るかもしれないが、
その後の作業において、継続して追加の作業を行うことはない。
お客様からいただいた追加作業の注文は、今後のマニュアル作りの参考に反映されるが、
個別の注文を、その店舗の「気の効いた部分」として反映させてはいけない。
一軒がそれをやると、
「あっちの店ではやってくれたのに、こちらの店ではやってくれない。」
そんな不公平を作る事になる。

 

お客様からの注文であったりクレームはマニュアルの中に反映されていくべきであり、
あるいは、お客様から要望を積み上げて新しいメニューを作りに反映されるべきである。
お客様から要望が店舗ごとの「マニュアル崩し」につながってはいけない。
それでは、チェーン店としての意味がなくなってしまう。
お客様からの声は、大切な財産である。
これを以下に商品の中に反映させて行けるかが、チェーン店としての重要な要素ではある。
その上で、お客様の声をマニュアルの中に反映させるべきであり、
やはり「マニュアル崩し」になってはいけないことは確認すべきなのだ。

 

今日は、快洗隊FC店さんを中心とした「合宿研修会」だ。
みんなで、マニュアルの確認と、品質の均一を真剣に学ぶ。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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