谷 好通コラム

2008年02月07日(木曜日)

1841.セミナー・2008年の洗車シーンを見通す

今日は洗車セミナー。

 

去年は「新春洗車セミナー」として1月下旬から2月中旬にかけて
全国9箇所を回った。
しかし今年は自分自身が快洗隊に直接関わり始めたことや、
3月から東京に引っ越すなど慌しくて、とりあえず愛知の本社でのセミナーを行った。
今後の予定はまだ未定である。

 

題目は「2008年の洗車シーンを見通す」

 

以下は、セミナーのために書いた私自身の原稿の書き出しの一部である。

 

「数年後に1兆円規模に成長すると予想されている洗車事業を獲得するために」

 

アイ・タック技研?は「名古屋中小企業投資育成?」という半官半民のベンチャーキャピタルから資本を入れてもらっている。この機関は地元の中小企業でこれから発展の可能性のある会社や、充実した経営を行っている会社に投資を行い、特に株式上場時のキャピタルゲインを目的としているわけではなく、その名前に在るとおり中小企業の育成を目的とした政府系の機関である。私どものようなまだまだこれからの会社が、ここから投資を受けているということ自体大変名誉なことであり、ありがたいと思っている。

 

先日、その名古屋投資育成の賀詞交換会に出席した。250社ほどの出席者の面々を見ると、やはり車の街愛知県の企業だけあって自動車の製造に関わる企業が圧倒的に多い。自動車の各部に使われている特殊なバネを作る会社。ある特定メーカーのホィールベアリング、プロペラシャフト専門の会社、ある部品の金属の表面処理が得意な会社、純正のアルミホィールを造る会社、電気部品のリレー専門の会社、などなど自動車のほんの一部の部品を専門で造っている会社が、それぞれ年商数十億円とか百億、二百億円以上とかの会社でみなさん立派な利益を出している優良会社である。
そこで考えた。自動車のほんの一部の部品を作っているだけで、しかも、デンソーとかアイシンなどの大企業以外でも、こんなにたくさんの中小の優良企業を支えている自動車産業とは、全体で一体どれぐらいの事業規模なのだろうかと。そしてまた、この自動車がユーザーに渡ってからのアフターとしてのビジネスは一体どれくらいの事業規模なのだろうかと。

 

会社のスタッフにインターネットでざっくりと調べてもらったら、自動車製造業全体ではなんと42兆円と出た。これは海外への輸出車が国内販売の車の数倍あることや、海外でのノックダウン生産まで入っているのでこんな飛び抜けた大きな数字になるのであろうが、いずれにしても2006年の日本の国内総生産(GDP)が511兆円であることを見ても、これはとんでもなく大きな産業である。
国内での新車販売が8兆2700億円(輸入車を除く424万台)、中古車販売は3兆1500億円(約450万台)と続く。それに対して自動車に関わるアフタービジネスは、車検及び整備・修理が4兆1500億円(モータースでの新車販売がダブっているか?)。いずれにしても、かなりのスケールである。
板金塗装業は1兆2500億円。これは上記の整備・修理の中にも含まれていて、しかもカーディーラー等は板金塗装をほとんど下請けに出しているので整備・修理とダブっているはず。さらに保険の販売金額のかなりの部分が板金塗装の金額とオーバーラップしている。また、カーショップなどで売られるカー用品、オイルなどが1兆2500億円であった。

 

それに対して、われ等が洗車はどうであろうか。残念ながら洗車事業に関する市場スケールのデータはインターネットで調べた限りでは何もなかったので、あくまでも推定でしかないが、全国の約40,000軒のガソリンスタンド(以降SSという)で、平均月間400,000円(ある大手元売りさんのSSの平均が月平均360,000円というデータがある)とすると、40,000軒×400,000円×12ヶ月=1,920億円となる。それに洗車専門店とかコーティングショップやコイン洗車場(全国で約1,000箇所)まで入れても、全部で年間2,200億円を大きく上回ることはないだろう。加えて、カーディーラーにおける新車のコーティングは、2007年の国産乗用車新車販売台数約424万台に対して現状は1/2(推定)が施工され、その単価が平均40,000円(推定)とすると848億円となる。これに輸入車26万台の70%に平均70,000円の施工で127億円。合計でおおよそ1,000億円となり、SS業界と新車ディーラーなどすべて合わせて車をキレイにする市場規模は、現在おおよそ3,200億円となる。
これは、板金塗装の1兆2500億円、カーショップの1兆2500億円のビジネス規模に対して、それぞれ1/4程度となる。たった4分の一しかないのだ。
(ここ出てくる各数字は、あくまでもインターネットから拾った数字から推定したものであって、確証のあるものではない。)

 

一方、ユーザーの持っている洗車指向は、2007年アイ・タック技研独自のアンケート調査によると、全体の52%がいまだに自分で自宅やコイン洗車場などで洗っているのが現状であった。
SSに設置してある洗車機(連洗含む)を使っての洗車などを利用している人は10年以上前から全体の約1/3 (現状35%)であり、セルフ式のドライブスルー洗車がかなり普及した現在その販売単価は著しく低下しており、販売金額はかなり低下していると考えられる。一方、SSでの手洗い洗車やコーティングがここ何年かで普及しており「SSで手洗い洗車を受けている」と答えた人が全体の5.7%になってきた。(洗車しない人が約6%、その他が約2%)
6年前にとったアンケートでは「SSで手洗い洗車を受けている」人は限りなく0%であったことを考えると、この需要層はSSが新たに作り上げた洗車マーケットであると言える。しかし、それにしてもまだ、たった5.7%であり、SSにおける洗車ビジネス全体でもたった1,920億円である。板金塗装業全体のわずか1/6.5でしかない。

 

ある有名な経営コンサルティングを行っている経済総合研究所が、「あと数年のうちに洗車関係のマーケットスケールが1兆円規模になる。」言っていた。どのように根拠で言っているのかよくは解らないが、彼らの独自の観点からそれなりの根拠を持った話であろう。
もし、「あと数年のうちに洗車関係のマーケットスケールが1兆円規模になる。」が、正しいとしたら、現状の洗車市場規模が約3,200億円と推定されるのであるから、1兆円規模とは現状の約3倍以上に当たるわけで、これは大変面白いことになる。

 

 

今の3倍以上のマーケットになると言うことは、今現状の2倍以上の新しいマーケットが新たに出現するということだ。その新しいマーケットには「どんな人が」「どんな商品を」「どれくらい」「どんな所で」「いつ、どのように」買っていただけるだろうか。

 

☆まず一つ目「どんな人」が。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

以下本論に入る。

 

 

この原稿はあまりにも長いので、
これぐらいで割愛されていただくが、
いずれにしても、2008年以降、洗車シーンが大きく拡大していくであろう可能性をお話させていただいた。

 

 

 

セミナーが始まる直前、ほぼ満席になりつつある時

 

 

セミナーが終わってから、皆さんと改装した「刈谷店」に見学に来ていただいた。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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