2007年11月21日(水曜日)
1780.テネシーワルツに泣く
大変名誉な賞をいただくことになった。
「グッドカンパニー大賞・新技術事業化推進賞」という賞で、
中小企業庁関連の社団法人中小企業研究センター主催の全国規模のものだ。
上場をしていない中小企業が対象で、
発展途上にある会社が、
今年は全国で13社が選出され、中々権威のある賞であると言う。
今年で41年目になり、40年間に約520社が受賞していて
初回の受賞社には「京セラ」など、
今では超有名になっている会社がいっぱいいる。
こんな大それた賞に、なぜ、アイ・タック技研ごときの会社が選出されたのか、
よくは解らないが、
たぶん、洗車という事業が社会の中に徐々に認知され、
今後大きな可能を持っていることが認められたことと、
その中で、小さいながらもアイ・タックが独自性を持った活動をしていること、
そして、その活動が将来に向けて広がっていく可能性を認められたことだと思う。
全国の洗車に関わるたくさんの人たちの、とりあえず代表として、
洗車が世の中に認められつつある事実の証として、謹んで皆さんに報告したい。
と共に、これまでアイ・タック技研を支えていただいたたくさんの関係者と、
全国の多くの人たちに深く、深く感謝いたします。
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しかし、1月の表彰式には日本商工会議所会頭とか中所企業庁長官など、
すごく偉い人が来賓として挨拶されるそうだ。
きっと、ものすごく堅っ苦しい会なのだろう。
そういうのが、私は、すごく苦手だ。
誤解を恐れず言えば、今から憂鬱で仕方ない。
賞をいただくことは名誉であり、洗車を愛する人たちの代表として賞を受けるわけなので、
そんな不謹慎なことを思ってはいけないのだが、
そういう堅苦しい会に出て神妙にしているのは、私はものすごく苦手で、
考えただけで、胃が痛くなる思いなのである
(残念ながら、私の胃は頑強なので実際にはなんともない。)
今日、大きな銀行の主催でジャズコンサートがあった。
銀行の法人顧客を対象にした会で、地元の有力社の経営者が集まる。
そんな会に私ごときを呼んでくれたのはありがたい話だが、
私は堅苦しい会は苦手なので、何かの会があっても
出来ればなんかの理由をつけて欠席したいなどと不謹慎なことを思っていたが、
初めての会が音楽鑑賞会という名のジャズの演奏だったので、
ジャズなら大好きだし、まさか、ジャズを聴くのに堅つ苦しいことはないだろう。
そう思って、嬉々として出て行った。
そんな予想は違った。
会場には結婚式の披露宴のようにテーブルが並べられ、
席が指定してあって、前には一段高い舞台が作ってあった。
普段行くジャズのライブハウスとは大違いである。
会場の入り口には銀行の人たちがずらっと並んで、にぎにぎしく出迎えられる。
テーブルに着くと、同じテーブルには社長さんばかりで、
みんなバシッと背広を着ている。
初めて会う人たちと早速、名刺交換。こりゃまるっきり仕事である。
気軽にジャズを聴きに来たつもりが、思い切り堅苦しい会に出てしまった感じだ。
「まいったな~」
1月の表彰式の予行演習みたいだ。
会が始まって、銀行の方の堅い挨拶があり、
来賓の堅い挨拶があり、
銀行の人の司会で、バンドが堅く紹介された。
雰囲気は格式あるクラッシックのコンサートのようだ。
出てきたバンドも、
黒いスーツを着て、なんとなく堅っ苦しい。
曲は「枯葉」「フライミーツーザムーン」とスタンダードが並ぶ・・・。
演奏が始まると、しかし、なかなか良いではないか。
アドリブはほとんどないが、いや、うまい。
私はジャズが大好きだが、プレーヤーは全く知らない。
しかしさすが銀行さん主催である。高い一流のプレーヤーらしい。
(同じように私はレースが大好きだが、レーサーは全く知らない)
しかし堅い。うまいが堅い。
これなら、ショパンの方がよっぽどジャズだよ。
そんなことを思って聞いていたら、ボーカリストが登場した。
若い女性で、真っ赤のドレスを着、背が小さく、なんかヨチヨチして見える。
喋ると子供のような話し方でかわいい。
歌を唄い始めた。
すごいっ!
信じられないような声量と、
艶のあるたっぷりの表現で圧倒された。
基本がしっかりしているのだろう、豊かな声の表情にもかかわらず音が正確で、
安心して、その表現の中にのめり込める。
「今岡友美」
悲しい歌、テネシーワルツで涙が出た。
いいジャズは泣ける。
私は思った。
堅苦しい会でも、
いいジャズを聴いたら、こんな素直になれる。
何も自分も堅くなることはない。
形は堅苦しくても、自分は自分で、自分に素直にしていれば、
何も苦痛などないはず。
どんな立派な会であっても、みんなのおかげと思って、自分らしくしていよう。