谷 好通コラム

2007年10月29日(月曜日)

1764.もったいなくって、休んでなんか

給与が十分な水準に達していても、
それが一定のものであるとしたら、
残念ながら「出来るだけ楽をしよう」とする人がいる。
仕事量が多くても少なくても得られる給与が一定ならば、
「仕事は少ない方が得だ。」と考える価値観は、
それはそれとして心理は分からないでもないが、魅力的な価値観ではない。
仕事によって社会や会社に貢献することよりも、
その報酬が一定ならば、
自分のための“楽(ラク)”をしたほうが”得(トク)”という考え方は、
「報酬は、社会や会社に対する貢献に比するもの」という原則に敵対した価値観である。

 

給与が一定ならば、仕事量は少ないほうが得と考える人がいるならば、
その人は仕事を減らす方向に志向するだろう。
たとえば、その人が5つの仕事を持っていたら、
3つの仕事だけをして、
「3つの仕事が忙しくて、あと2つの仕事が出来ない。」と公言し、
自分の仕事を3つに減らそうとする。
ならば会社は、
その人の能力が3つの仕事に匹敵するしかないと考え、
2つの仕事を取り上げて他の人に回す。
そうなると、その人は自分の仕事が5つから3つに減ったことを、
得したと考えるかもしれない。

 

しかしそれ以後、
その人の仕事に対する方向が
「仕事をしないことが得だ。」にあることに会社は気が付くので、
その人に多くの「仕事」をさせようとはしないし、
重要な仕事をさせることはない。
重要な仕事を任せて「仕事は楽(ラク)した方が得」の価値観で、
いい加減な仕事をされたのでは、会社にとって大きな損失につながるからだ。
当然、報酬も減らそうとする。
というよりも、その人が去ることを期待するかもしれない。

 

「楽(ラク)して、休みが多く、給料が高い。」
それが、その人の従業員満足であるとしたら、
その人は会社と利害が一致していないことになる。

 

「率先して苦労し、頑張って成果を出して、高い報酬を得る。」
そこに仕事に対する満足があり、顧客満足があり、従業員満足があるのではないか。
楽(ラク)して儲かるなんて事は有り得ないからだ。
口先だけで儲かるなんてことがある訳ない。

 

楽(ラク)して儲かる仕事なんて、
詐欺とかの犯罪がらみか、
人の不幸の上に立つような自分の子供に言えないような仕事か、
えーとっ・・・・あと何があるか・・・思い浮かばない。
楽して儲けたって、自分も、家族も、誰も幸せになるとは思えない。

 

どんなに優れた才能を持っている者でも、
血のにじむような努力をせねば一流にはなれないし、
どんな秀でた頭脳を持っている者でも、
謙虚な学ぶ姿勢を持っていないと学習を積み重ねることは出来ない。

 

どんな優れた技能を持っていても、
技能を活かす時間を惜しんでいては直に錆付いてしまう。
疲れるからこそ、休みが貴重で楽しいのに、
疲れもしていないのに休めば、だらけるだけだ。

 

強い人とは自分に厳しい人だ。
優しい人とは、自分に厳しい人。
不満とか不平のぼやきからは自分の幸せも、家族の幸せも、みんなの幸せも生まれない。
満足は、楽(ラク)することからは生まれない。

 

みんなの幸せと自分の満足は、自分に妥協しない努力からしか生まれない。
人間はみんなそうだと思うし、少なくとも男はそうだ。

 

やっぱり、どうしてもそう思う。

頑張っている人を応援し、全力で支えようとは思うが、
楽(ラク)しようと考えている人とは、関わりを持ちたいとは思わない。
人が死ぬとどうなるか知らないけれど、
輪廻転生などと言うものがあるかどうか知らないけれど、
少なくとも、今の自分が間違いなく持っているたった一度の人生だから、
短い人生なのだから、もったいなくって、楽(ラク)なんてしようとは思わない。
精一杯頑張って、時間を精一杯大切にして、
やれるだけのことをやって、満足して死にたい。
休んでなんかいられない。
もったいなくって。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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