谷 好通コラム

2019年05月08日(水曜日)

5.08.ゼロからの創出は普通ではない

何か独特の物を造り出すには、
何かすでにある物を土台にして造り出されることはない。
あるいは何かを真似して作られることもない。
何か、独特の物であって、
今までにない物が創りだされる時は、
それは何もないゼロから、
「無」から「有」が創りだされるように、
唐突に創りだされるもので、誰も予測が付かない。
もちろん、本人すらもそれを予測できないし、むしろ本人の意思もない。
本人の意思とは関係なく、唐突に創りだされるものだ。
しかし、それは決して劇的でなく、創りだされる時は唐突でむしろ静かだ。

 

生き物の進化には、
環境の変化によって、選択的に、
今までとは違う方向に淘汰された者が生き残って
つまり、環境の変化に適応した形の者が生き残って、
その種が環境の変化に適合したことになる。よくある緩やかな進化だ。

 

もう一つの方法が突然変異。
何かの異常で、たまたま今までとは違う形態になってしまった生き物が、
たまたま、住んでいる環境の変化に合っていて、
たまたま、他の者より生き残って、淘汰されて、
その種が環境の変化に適合したことになる。
まぐれの突然の進化だ。

 

ゼロから何かが創りだされることと似ている。
何かの異常があって、あるいは変わっていて
その異常が、新しい時代の環境に、たまたま合っていて、たまたま勝ち残る。
だから、本人は全く勝ったという自覚がない。
しかし、勝っていないから、勝たなくても不満ではないので、
しぶとく、たくましい。
創業者とはそんなもので、
誰も勝ち誇って威張ることはなく、しかし、誰からも理解されず、
実はさみしい者でもある。
本人は変わっているだけで、たまたま勝つつもりもなく勝ってしまっていて、
それによる満足感も持っていないまま、
気が付くと、あとは、死ぬだけになっている。
「つまらないな。」
創業者とは、ひょっとしたらそんなものなのかもしれない。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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