土曜日のアイ・タックの事務所に来ると、
必ず、ほぼ全員の役員がいて仕事をしている。
企画のスタッフを除いて他の者はたいてい休んでいるが、
なぜか役員だけはほぼ全員いる。
土曜日はかかってくる電話の数も少なく、訪問者もいないので、
仕事がはかどるのだ。
ヘタをすると日曜日までパソコンとニラメッコをしている姿を見る。
しかも、電気代節約のため自分の座っている場所だけ電気をつけて、
黙々と仕事をしている姿は、ちょっと鬼気迫るものがあって、
この会社を象徴する一つの風景だ。

取締役は社員ではないので、残業も休日出勤手当ても付かない。
それでも、ほぼ必ず休日出勤をしているのは、
やらなくてはならない仕事が山ほどたまっているからだろう。
別に強制されているわけでもなく、悲壮感を持ってやっているわけでもない。
部下にあてつけでなくやっているわけでもない。
やるべき事があって、やるべくしてやっているだけ。
それぞれが持っている目標が高いのだ。

上司ほどよく働く会社は、
良い会社なのだろうか、大したことのない会社なのであろうか。

少なくとも、上司ほど“仕事が出来る”会社は、
間違いなく良い会社である。
仕事が出来るから上司になったのだろうし、
高い能力を持っているだけでなく、
しっかりと仕事をすることによって実現する力を持って、
実績を作ってきたから上司になったのだろう。
だから、実績を出せる良い会社は、上司ほど仕事が出来るのが当たり前なのだ。

仕事も出来ない上司、
古くからいるだけの上司、
世渡りがウマいだけの上司が、
偉そうな顔だけをしてのさばっている会社はダメな会社だ。

先日、快洗隊のマネージャーたちが
「ＫｅｅＰｒｅ技術認定１級資格」の検定を、中央トレセンに受けに来ていた。
店舗が定休日であり、彼らが休みである火曜日に自主的に集まったらしい。

安城店・柴田、知立店・藤川、大須店・結城、岡崎店・村藤、
甚目寺店・堀、鳴海店・土井、刈谷店・山迫
以上７名、
日本の洗車シーンのトップを担うそうそうたるメンバーだ。
今更、検定の必要も無いだろうに、
すべての人に対して、
厳正な検定を経なければ資格を出さないという原則を当然の事として受け入れ、
自分達の休日を使って、特別検定会を組んでもらったものだ。

受け入れたのは名古屋営業所・石川所長とそのスタッフ鳥巣。
石川所長は何年か前に刈谷店マネージャーを務めているので、
言ってみれば後輩たちの検定を引き受けた形だ。
鳥巣にとってはみんな大先輩であって、緊張しまくり。

７名の快洗隊マネージャー達は、
２級検定を準備運動代わりにクリアし、
１級検定に自らのプライドをかけて臨む。
普段の検定会では７０点の合格点を、９０点に設定し、
しかし、狙うはあくまでも１００点満点。
今まで２００名を越す人が検定を受けたが、
いまだに１００点満点は出ていない。

真剣そのものの技術検定の結果、
３名が１００点満点！
最後のケミカル缶のガス抜きを忘れて１点の減点で９９点が３名。
不覚にもバンパーの下にほんのわずかの拭き残しが見つかって
仕上がり４点減点で９６点が１名。
技術的には、いずれも減点のしようがないすごい結果となった。

私は彼らを誇りに思う。
店の運営を預かるマネージャーが率先して完璧な技術を身につけ、
仕事が出来る上司である彼らを誇りに思う。
素晴らしい技術を日常の事として実行している彼らを誇りに思う。
そして彼らの快洗隊を誇りに思う。

そういえば日本トップクラスの技術を持つ
札幌、Ｍ，ｓカーケアパフォーマンスの西岡さんをはじめ美装スタッフ３名が、
先日、１級検定を受けたと聞いた。
力のある人こそ、自信があるからこそ、
いつでも謙虚に、平気でこういう事が出来るのだろう。
力を持っていても、口先だけが先に動く傲慢な者には出来ない業である。
私は、この人たちを誇りに思う。

検定中、
私がたまに覗いて冗談を飛ばすもほとんどニコッともしない。
カメラを向けて「おい、ちっとはイイ顔しろよっ。」と無理やり笑わせてもこの程度。
すごい奴らです。

う～～ん、減点のしようがない・・・。