2006年09月20日(水曜日)
1478.秋、爽やかさ来る
台風が近づいてくる時は、
南の海から湿った空気が運ばれてきて、
やっと温度が下がってきた空気に湿気がたっぷりと加わって、
妙にべタッとした暑さが感じられ、
せっかく下がった気温を台無しにする不快さを作り上げる。
やがて台風がどこかに接近あるいは上陸すると、
強烈な風と猛烈な雨で必ずどこかに災害を落としていく。
テレビニュースは台風情報で溢れる。
でもそれは、
ほとんどの場合あっという間で
台風が去ると、いよいよ本格的な秋がやってくる。
夏の猛暑と、夏休みあとの残暑と、台風前の蒸し暑さの
その全部を思い出せないくらい
爽やかな風が抜ける秋。
絶望的なくらい混沌とした状況の中で、
一歩先が見えないと人々が不安と焦燥に包まれたとしても、
混沌の根源が去ったあと、
自らも混沌を構成し成していたはずの者まで、
「あれは一体なんだったんだろう。」と思い出せないほどまでに、
きっと爽やかに、穏やかになるに違いない。
猛暑は必ず去り、
残暑も長くは続かない。
台風前の不快な蒸し暑さと、災害への恐怖は、
台風あとの爽やかさの前段でしかない。
あの猛暑も、残暑も、不快感と恐怖も、
すべて、やがて来る爽やかさの前段でしかない。
いや、その前段があってこそ、
秋の爽やかさが一段と爽やかであるに違いない。
混沌のあとに必ずやって来る爽やかさを想う。