2006年09月03日(日曜日)
1467.海外進出の難しさ
現在アイ・タック技研は中国とアメリカに通っている。
いわゆる海外進出を果たそうと頑張っているわけだが、
なかなか、そう簡単にビジネスが組み立てられるわけではない。
海外進出によって得られる利益は3つある。
1.自社製品を売り込んで、その国の会社に買ってもらう利益。
2.日本で買うよりもその国で買って方が良い製品を輸入し、日本で販売する利益。
3.日本にない技術や販売手法を学んで、日本での商売に活かす利益。
2.と3.は比較的、簡単だ。
2.買うことについては、ただ買えばいい訳だが、
しかし、自国に輸入してビジネスが成り立つコストでもって、
日本に通用する品質を維持した物を買い続けるのは大変な困難を伴い、
そう簡単に出来ることではない。
3.については、自分自身にどれだけ学習能力があるのかの問題だ。
同じものを見ても、これは面白いと吸収してしまう人もいれば、見過ごす人もいる。
そこで何を吸収し、ビジネスに活かす事が出来るか。
1.の相手国の会社に自社製品を売り込むのは、2.3.の努力とは一桁違う努力が必要である。
海外に出て行く目的は、自社製品を売り込みにいくだけではないので、
必ずしも自社製品が売れなくても、その他の目的が達せられていれば、
それはそれで意義はある。
しかし、やはり、自社製品がその国で販売する事が出来ないと、
いずれはその国での活動が行き詰ってしまい長続きしない。
海外進出の中心的な活動は、自社製品の販売が第一である。
それに伴って、買うこともあり、学ぶこともあるという事になる。
中国には上海事務所があって、
現地の頼さんと兪さんが中心になってビジネスを作ってくれている。
快洗Taoるの輸入1ロット毎の工場での検品は、
根気のいることではあるが、どうしても必要なことであり、
快洗Taoるの品質の安定を保証している大切な仕事だ。
しかしやはり活動の中心は、販売活動である。
車に製品と、デモの道具を入れて
たくさんの人に見せ、説明して、販売している訳だが、
特に兪さんは女性なのにほとんど自分の家に帰る事が出来ず、
本当に申し訳ないと思っている。
しかしその結果は着々と出ていて、やるべきことをやれば、結果は出てくるものだ。
一番難しいのは、
日本とは違う文化と、ビジネス環境の中で、
いかに自社製品をその国の中で活かす手法を見つけることだろうと思う。
例えば、
中国では「フンユー」と総称される研磨とコーティングがあって、
それぞれの店で自慢の研磨とコーティングを実施している。
「フンユー」は、現在の中国での文化であって、
それを否定する形で、例えばダイヤモンドKeePreを売り込むことは出来ない。
「フンユー」の技術を活かした形で、
ダイヤモンドKeePreの性能を発揮するのが一番なのだ。
日本と同じでは何も売れない。
日本で売れているという事実は、海外に出れば全く意味を持たないのだ。
その国の中でどう役に立つのかを探さなければならない。
その時に初めて製品が製品として販売される事になる。
中国は難しい。
アメリカももっと難しい。
中国には“購買欲”はあるが“購買力”が小さいところが難点だし、
アメリカには購買欲も購買力もあるが、購買動機を作り出していく事が難しい。
簡単に成果が上がるようなビジネスなど、ありやしないわけで、
その成果を上げるまでに必要であるコストとの勝負になるのだろう。
海外進出は、意外なほどのお金と時間がかかる。
お客様に所に行くだけで、
国内とは余分な飛行機代とホテル代が発生し、
行って帰ってくる時間も大きなロスだ。
ロスから帰りの飛行機は、偏西風を逆に飛ぶのでなんと11時間半もかかるのだ。
この時間だけは無駄な時間としか言いようがない。
言葉が通じれば自分と相手の当事者だけでビジネスが進むが、
海外でのビジネスの場合、
言葉が通ずることは稀であって、こちらと相手をつなぐ“通訳”が必要となるのだ。
また、製品のパッケージ、説明書、販売促進ツールなど、
日本語で書いてある部分をすべてその国の言葉に直さなくてはならない。
これは大変な手間であるのと同時に、
印刷物を作る事になるので、大きな費用がかかる。
海外での販売は、
飛行機代とホテル代が余分にかかって、
通訳さんという人件費が余分にかかり、
パッケージ、チラシなどを外国語で作り直す手間とコストがかかり、
国内での活動に比べて大変多くの時間がかかり、
その上で、その国に合わせた販売手法を編み出せないと、結果的に販売は失敗し、
大きなコストが無駄金になる。
いかに良いパートナーを得る事が出来るか、
それが海外進出の一つのポイントになる。